こんな温泉宿のWebサイトが懐かしい

いまや、スマホ全盛の時代。

そして、レスポンシブWebデザインの時代。

簡単に言えば、スマホやPCのデバイスのサイズに合わせて、最適に表示させる仕組み。

画像も大きく、きれいになって見やすい。

 

ただ・・・どれも似たりよったり。

良く見せることを前提に作っているのだから、当たり前と言えば、当たり前。

 

だったら、画像は無理でも、文章で差別化を図ったらどうか?

 

例えば、施設のページ。

「伝統ある木造建築は、古き良き時代を連想させ、居心地のいい空間を作っている」・・・とか、書いてあるのが普通なのだが、これを・・・「由緒ある木造建築と言えば聞こえはいいが、内情は単にお金がなくて改装できないだけの話。でも、そのほうが落ち着くと常連さんのご意見。もちろんお掃除には丁寧かつ時間をかけています!それと洗浄機付き便座など、最低限の設備はあるのでご安心を。」とか(笑)。

 

温泉のページは、こんな感じはどうだろう。

「露天風呂には、まれに葉っぱや虫が浮いている場合があります。いくら掃除を頑張ってもそれは難しい問題です。なにしろ当館は、大自然の中にある宿なので。」・・・これ、宿のロケーションの良さを暗にアピールしていますね。

 

料理のページは・・・「厳選された旬の食材を、料理長が丹念に作り上げた渾身の料理」と言いたいところを、「舌で目でも楽しめる献立と評判をいただいておりますが、宿泊料金を考えると、とってもリーズナブルとよくお客様に言われます。」・・・これって、コストパフォーマンスの良さをアピールしていますね。

 

こんな風に、文章に変化を持たせるのも面白いというわけ。

でも、これって15年ほど前ぐらいには、けっこうあったような気がする。

オーナー自らの文章で、宿を宣伝していた時代があった。

画像が小さくて、文章が主役だった頃。

 

現在は、ちょっととがった事をすると、炎上してしまう。

クチコミサイトに悪評を書かれるのも怖い。

窮屈な時代になった。

最新武器を生かす戦略

商いとは、利益をあげる目的で、モノを売り買いする事。

その経済活動によって、人々の生活が成り立っている。

 

現代社会は、その商いも多様化し、種類も、システムもより複雑化している。

旅館やホテルの集客方法も、年ごとに新しい仕掛けが誕生している。

その部分を研究し、自分にあったサービスを探しだすのも、商いのひとつなのだろう。

 

昨年「インスタ映え」という言葉が、流行語となったが、画像のキャッチフレーズみたいなもので、画を見れば、その中身というか、面白さが分かる・・・というものだろう。

だからこそ、宿泊施設のオフィシャルサイトのトップページには、「わかりやすい画」が必要なのだ。

それは、つまり「動画」。

文字よりも、または静止画よりも、多くの情報をサイト閲覧者に伝えられる。

SNSの代表、Facebookも同様だ。

「動画」を投稿すれば、そのまま購買(予約)につながる可能性が高くなるデータは出ている。

 

大手予約サイトである「楽天トラベル」も、今年大幅な刷新が図られると聞いた。

そこにも、「動画」を投稿できるプラットフォームが用意されるという。

 

このように、次々と新しいマーケティングの手法が、生み出されていく。

しかし、そのまま鵜呑みにしてはダメで、しっかりと自分にあった方法を作り上げなくてはいけない。

 

人材、施設、立地、温泉、周辺観光、伝統・・・など、人気宿泊施設の要素は色々あるが、それがひとつでも欠けていれば、それを補う「戦略」が必要となってくる。

つまり、何事も戦略を練るには「情報」が必要で、それを生かす「分析力」が絶対に大事になってくる。

自分の宿を繁盛させる、独自の「処方箋」を自ら作れるかが、生き残れる条件とも言えるだろう。

 

いまの観光業界は、日本の歴史の中の「戦国時代」の末期にも似ている。

「種子島=鉄砲」という最新武器が伝わり、新しい「戦(いくさ)」のやり方を考え出した武将が勝つ時代になったのかもしれない。

1575年の長篠の戦いは、新兵器を上手く自軍に取り入れた織田・徳川連合軍と、先代から無敵を誇った騎馬隊を擁する武田軍の衝突。

誰もが、信長のように、勝者になりたいはず。

歴史は語る。

最近のホテル・旅館の公式Webサイト

いまや、全国のホテル旅館の公式Webサイトが、画像も含め、洗練されたものが多くなった。

ほんの数年前までは、けっこう各施設で格差があったものだが・・・。

これも、宿泊施設の経営者が、ネット戦略に本腰を入れてきた事に、大いに関連しているからだろう。

 

ただし、Webサイトは、どこも似たり寄ったりの様相。

デザインが良くなっても、個性的なサイトを探すのが難しくなった感じもする。

 

そして、肝心のサイトの中身を検証してみると、私からすると、決定的に欠陥とも言えるポイントがある。

温泉旅館のWebサイトを例にとると、メインコンテンツとしては、施設、温泉(風呂)、客室、料理、アクセス・・・とあるが、その中でも、一番重要なのに、一番手抜きされているコンテンツがあるのに気が付くのだ。

 

それはいわゆる「周辺観光」(宿周辺の見どころ)。

その宿があるエリアには、どんな景勝地、歴史的遺産、施設、そしてイベントがあるか、詳細に紹介しているサイトは少ない。

何も、有名な観光地や景勝地なんて要らない。

そこに、穴場的なスポットでも構わないから、こんな面白いところがあるんだというプレゼンテーションが無さすぎるのだ。

マイナーでも、インスタ映えするスポットの紹介は面白いはずだ。

地元に住んでいると気づかないが、旅行者の目線では新鮮に映ることはよくある事。

最近のインバウンドの隆盛で分かるように、日本人が、気づかなかった魅力を、外国人旅行客が見つけてくれた状況は、皆さんご存知のはず。

 

宿に泊まるだけの目的で旅行する人には関係ないかもしれないが、一般的に旅行者は、旅の途中で、何かしら刺激や思い出に残るような体験をしたいはず。

宿泊先の紹介はもちろん必要だが、それだけであれば、いわゆる自宅の「点」と、宿泊先の「点」を結ぶだけの紹介。

旅行者には、「点」から、宿とその周辺エリアである「面」を紹介すべきと思う。

 

周辺の景勝地、歴史的遺産、施設、イベントは、その宿の「魅力」でもあるからだ。

それを自らのWebサイトで、詳細に紹介しないのは、いかにももったいない。

画像を張り付けるだけ、または観光協会のサイトにリンクをはるだけでなく、他のメインコンテンツと同様に充実させるべきだと思う。

動画は、間違いなく効果的だろう。

旅をさせるための三要素と言われる「時間」「お金」「モチベーション」のうち、一番大事な、旅行をしたいという「モチベーション」を刺激することは、必要不可欠と思うのは私だけであろうか。