最新武器を生かす戦略

商いとは、利益をあげる目的で、モノを売り買いする事。

その経済活動によって、人々の生活が成り立っている。

 

現代社会は、その商いも多様化し、種類も、システムもより複雑化している。

旅館やホテルの集客方法も、年ごとに新しい仕掛けが誕生している。

その部分を研究し、自分にあったサービスを探しだすのも、商いのひとつなのだろう。

 

昨年「インスタ映え」という言葉が、流行語となったが、画像のキャッチフレーズみたいなもので、画を見れば、その中身というか、面白さが分かる・・・というものだろう。

だからこそ、宿泊施設のオフィシャルサイトのトップページには、「わかりやすい画」が必要なのだ。

それは、つまり「動画」。

文字よりも、または静止画よりも、多くの情報をサイト閲覧者に伝えられる。

SNSの代表、Facebookも同様だ。

「動画」を投稿すれば、そのまま購買(予約)につながる可能性が高くなるデータは出ている。

 

大手予約サイトである「楽天トラベル」も、今年大幅な刷新が図られると聞いた。

そこにも、「動画」を投稿できるプラットフォームが用意されるという。

 

このように、次々と新しいマーケティングの手法が、生み出されていく。

しかし、そのまま鵜呑みにしてはダメで、しっかりと自分にあった方法を作り上げなくてはいけない。

 

人材、施設、立地、温泉、周辺観光、伝統・・・など、人気宿泊施設の要素は色々あるが、それがひとつでも欠けていれば、それを補う「戦略」が必要となってくる。

つまり、何事も戦略を練るには「情報」が必要で、それを生かす「分析力」が絶対に大事になってくる。

自分の宿を繁盛させる、独自の「処方箋」を自ら作れるかが、生き残れる条件とも言えるだろう。

 

いまの観光業界は、日本の歴史の中の「戦国時代」の末期にも似ている。

「種子島=鉄砲」という最新武器が伝わり、新しい「戦(いくさ)」のやり方を考え出した武将が勝つ時代になったのかもしれない。

1575年の長篠の戦いは、新兵器を上手く自軍に取り入れた織田・徳川連合軍と、先代から無敵を誇った騎馬隊を擁する武田軍の衝突。

誰もが、信長のように、勝者になりたいはず。

歴史は語る。

最近のホテル・旅館の公式Webサイト

いまや、全国のホテル旅館の公式Webサイトが、画像も含め、洗練されたものが多くなった。

ほんの数年前までは、けっこう各施設で格差があったものだが・・・。

これも、宿泊施設の経営者が、ネット戦略に本腰を入れてきた事に、大いに関連しているからだろう。

 

ただし、Webサイトは、どこも似たり寄ったりの様相。

デザインが良くなっても、個性的なサイトを探すのが難しくなった感じもする。

 

そして、肝心のサイトの中身を検証してみると、私からすると、決定的に欠陥とも言えるポイントがある。

温泉旅館のWebサイトを例にとると、メインコンテンツとしては、施設、温泉(風呂)、客室、料理、アクセス・・・とあるが、その中でも、一番重要なのに、一番手抜きされているコンテンツがあるのに気が付くのだ。

 

それはいわゆる「周辺観光」(宿周辺の見どころ)。

その宿があるエリアには、どんな景勝地、歴史的遺産、施設、そしてイベントがあるか、詳細に紹介しているサイトは少ない。

何も、有名な観光地や景勝地なんて要らない。

そこに、穴場的なスポットでも構わないから、こんな面白いところがあるんだというプレゼンテーションが無さすぎるのだ。

マイナーでも、インスタ映えするスポットの紹介は面白いはずだ。

地元に住んでいると気づかないが、旅行者の目線では新鮮に映ることはよくある事。

最近のインバウンドの隆盛で分かるように、日本人が、気づかなかった魅力を、外国人旅行客が見つけてくれた状況は、皆さんご存知のはず。

 

宿に泊まるだけの目的で旅行する人には関係ないかもしれないが、一般的に旅行者は、旅の途中で、何かしら刺激や思い出に残るような体験をしたいはず。

宿泊先の紹介はもちろん必要だが、それだけであれば、いわゆる自宅の「点」と、宿泊先の「点」を結ぶだけの紹介。

旅行者には、「点」から、宿とその周辺エリアである「面」を紹介すべきと思う。

 

周辺の景勝地、歴史的遺産、施設、イベントは、その宿の「魅力」でもあるからだ。

それを自らのWebサイトで、詳細に紹介しないのは、いかにももったいない。

画像を張り付けるだけ、または観光協会のサイトにリンクをはるだけでなく、他のメインコンテンツと同様に充実させるべきだと思う。

動画は、間違いなく効果的だろう。

旅をさせるための三要素と言われる「時間」「お金」「モチベーション」のうち、一番大事な、旅行をしたいという「モチベーション」を刺激することは、必要不可欠と思うのは私だけであろうか。

ウラを見せる戦略

最近、旅館・ホテルのホームページ(HP)を色々と見ると、数年前を比べたらホントに(ごく一部を除いて)洗練されているなあと感じる。

写真もきれいだし、デザイン、レイアウトも考えられているのが増えてきた。

それも、ウチの会社のような、専門の会社にHP制作を委託しているから。

 

でも、きれいばっかりだと、ホントの姿が見えないというか、素顔を判別できない厚化粧の女性(すいません)に似たり。

世は、共感を求めるSNS全盛の時代。

絵はきれいじゃなくても、ちょっとした裏側を見せるのもいいかもしれない。

 

例えば、源泉100%かけ流しの宿の場合。

温泉はすべて、人間にとって適温で湧出するものではないという、当たり前の情報を伝える。

適温にするには、気温を考えながら、湯舟に注ぐ源泉の湯量を調整している湯守の姿を動画で公開するのはどうだろう。

循環ろ過式のコンピュータ管理で湯温調節している宿とは違うという差別化をアピールできる。

 

食材にこだわっている宿の場合。

仕入れ先や、提携している生産農家さんとのインタビュー記事を載せるとか。

これだけ苦労して、手間暇かけて作っている食材を使っているというアピールができる。

 

現代はネットの普及により、情報過多とも言われているが、内情は薄っぺらな情報ばかり。

きちんと現地に足を運んで取材しているものなど、本当に少ない。

裏付けのない情報を記事にして、まとめサイトを運営する会社が告発された報道は皆さんご覧になっただろう。

 

ドキュメンタリー番組の如く、提供側の人間味あふれる姿や、取り組み方を一部見せる事は、消費者に共感を呼ぶ。

いくら施設が充実していても、運営している人間が手を抜いていれば、それは先が知れている。

 

“共感”が人を呼ぶ。

それは、昔も今も変わらない。