温泉って素晴らしい

先日、群馬県・伊香保温泉で、弊社主催の「温泉ソムリエセミナー」を開催した。

おかげ様で、多くの受講者にお集まりいただき、大盛況だった。

千明仁泉亭さんという、豊富な源泉を所有する老舗旅館で行えたのも良かった。

 

温泉ソムリエは、ご存知の方も多いだろうが、温泉の素晴らしさを、できる限り温泉の成分やデータを用いて、どのような効能が期待できるかなどを、説明できる人の事をいう。

または、温泉そのものの魅力を多くの人たちに教える伝道師のような役目もする。

 

創設者の遠間和広氏は、もう30年来の知人だが、ここ10年は年に数回仕事をいっしょにするようになった。

私が、ネット関連の販売促進系の広告代理店から、温泉宿情報サイト運営にシフトして、必然的に再会を果たしたわけだが、それはやはり「温泉」があればこそ。

 

よく温泉旅館などの大浴場の脱衣所に掲示してある温泉分析書があるが、数字や記号ばかりで分からない人が多い。それを温泉ソムリエのセミナーを受講すれば、面白いように、その温泉の特徴・魅力が分かってくるというわけだ。

 

日本人は、温泉好きが多い。

ちょっと、旅行に行こうとなると、温泉があるところ・・・と考える人は多いだろう。

好きなものが、よく分かってくると、さらに好きになる。

温泉ソムリエの資格者は、すでに1万4000人を超えた(2018年5月現在)。

これは、数年前に、全国の温泉地でいくつか誕生した、いわゆるローカルの温泉資格の中でも、ダントツの数字を誇る。

「家元」と温泉ソムリエ資格者から呼ばれる、遠間和広氏の人間力にも大いに関係する。

全国で開催されるオフ会を見ても、よく分かる。参加者が、笑顔ばかりなのだ。

 

今回の温泉ソムリエセミナーを開催した時も、何人かの温泉ソムリエが、ボランティアでお手伝いに来てくれた。

嬉しい限りだ。

大学生時代のサークル活動にも似た、一種の一体感のあるイベントのような気がした。

 

世はSNS全盛の時代。

「温泉」をキーワードに、温泉ソムリエたちは、どんどん友人が増えていく。

何処の温泉が良かった、あそこの露天風呂は絶景だった・・・と情報交換も盛んになる。

 

考えてみれば、「温泉」は一生付き合えるもの。

年老いて、カラダがいうこときかなくなっても、温泉はそっと寄り添ってくれるような存在かもしれない。

だからこそ、私の座右の銘は「旅は人生の教師、温泉は一生の伴侶」なのだ。

温泉は源泉かけ流しが一番か?

このテーマは、温泉評論家、ライターさんなど、温泉に関わる仕事をしている人たちによって、微妙に考え方が違ってくる。

源泉かけ流しでなければ、温泉ではない・・・と主張する人もいれば、湯温が高温だったり、湯量が少なかったり、または大人数の人たちが利用する湯舟であれば、塩素消毒付きの循環ろ過も必要だとする人もいる。

 

ちなみに、源泉かけ流しとは、一般的に解説すれば、湯舟に温泉が注がれ、湯舟から温泉が溢れ出る、いわゆるオーバーフローする温泉の事。

常に新鮮な温泉が注がれているという状況。

例外として、オーバーフローしなくても、サイフォン方式というか、湯舟からパイプを横に出して、そこから湯を出す方式の湯舟もある。

 

そもそも、温泉は源泉100%だからこそ温泉であり、それ以外は認めないという考えは、恐ろしい事に日本国内ではおよそ90%以上の温泉(施設)というものが無くなってしまう。

源泉かけ流し至上主義と言われる人たちは、一般の人たちと比べて、温泉地に近かったり、そこまで行く時間とお金がある人たちが多い。

車中泊をしてまでも、温泉に行く人が、この源泉かけ流し至上主義の人が多い気がする。

 

では、源泉かけ流しは、衛生的か?と言われれば、疑問と言わざるを得ない。

利用者それぞれが、入浴前に、かけ湯はもちろん、石けんでカラダを洗ってから入るという前提が必要だからだ。

短時間で湯舟が新鮮な温泉に入れ替わるような、湯量豊富のドバドバかけ流しばかりが、源泉かけ流し風呂ではない。

湯量チョロチョロの、源泉かけ流し湯舟も多く存在するのが実情。

 

私なりの結論を言えば、療養・治療目的であれば、源泉100%かけ流しの温泉を探し、観光目的であれば、景色やロケーション中心で(源泉100%にこだわらず)温泉を探せばいいだけの話。

1日2日では、源泉100%かけ流しの効力は高が知れている。

いわゆる湯治は、ある程度の日数が必要になってくる。

1泊2日のストレス解消目的旅行であれば、なにも源泉100%にこだわる必要はないわけで。

料理目的に温泉地に行く人も多いはずだし。

 

だからこそ、温泉施設には、誰にでもわかる温泉(源泉)の利用状況をホームページ上で開示して欲しい。

温泉の事があまり詳しく表記していない宿に、電話で質問すると、スタッフから「あんた何が目的?」とか凄まれることもあった。

ただ、こっちは単に温泉のことを知りたいだけなのに・・・。

ホームページ上で、温泉の事を詳しく表記しなければならないという法律がないから、こうなっているのか?

そういえば、販売料金を表示しないガソリンスタンドに似ているなあ。

鳴子温泉郷は9種類の泉質?

JR東日本のCM。

「大人の休日倶楽部」鳴子編にて、吉永小百合さんが、「日本にある11種のうち、9種の泉質が揃うという鳴子温泉郷」・・・とナレーション。

 

ん?

たしか、以前、私の取材した記憶だと、ひとつ少ない8種類のはず!

 

鳴子温泉旅館組合のホームページをチェックしてみた。

すると、こう書いてあった。

※( )内は、新泉質名。

①    単純温泉(単純温泉)

②    重炭酸土類泉(炭酸水素塩泉)

③    重曹泉(炭酸水素塩泉)

④    食塩泉(塩化物泉)

⑤    芒硝泉・石膏泉(硫酸塩泉)

⑥    明礬泉(硫酸塩泉)

⑦    緑礬泉(鉄泉)

⑧    硫黄泉・硫化水素泉(硫黄泉)

⑨    酸性泉(酸性泉)

 

なるほど。

CMでは、「旧泉質名」で、9種類と言っているわけだ。

 

実際、現在では、掲示用泉質名(新泉質名)と呼ばれるものが一般的であるが、それは下記の通り、11種類に分けられている。

①    単純温泉

②    二酸化炭素泉(単純炭酸泉)

③    炭酸水素塩泉

④    塩化物泉

⑤    硫酸塩泉

⑥    含鉄泉(緑礬泉など)

⑦    含アルミニウム泉(含明礬・緑礬泉など)

⑧    含銅-鉄泉(含銅・酸性緑礬泉など)

⑨    硫黄泉

⑩    酸性泉

⑪    放射能泉

 

この分類でいけば、鳴子温泉郷の泉質は、②二酸化炭素泉、⑧含銅-鉄泉、⑨放射能泉・・・の3つが不足している。

つまり、新泉質名で言えば、鳴子温泉郷は、9種類ではなく、8種類が正解というわけ。

 

しかし、未だに、旧泉質名を併用して掲示している温泉地が多いのも事実。

それよりも、「温泉のデパート」という別称があるぐらい、泉質はもちろん、湯量が豊富な鳴子温泉郷。

9種類だろうが、8種類だろうが、鳴子温泉郷は、日本の温泉地では横綱クラスのランクである事は間違いない。

 

もともと11種類に大別したのも、人間が分かりやすく理解するためのもの。

成分が基準値まで届かず、泉質名の付かない温泉も存在するし・・・。

実際は、温泉地、いや、源泉井戸ごとに、泉質は違っている。

さまざまな成分が入り混じっているから、源泉ごとに泉質は微妙に違っているというわけだ。

国内には、およそ27,000本の源泉があると言われている。

厳密に言えば、すべて違う泉質という事なのだろう。