‘貸切温泉どっとこむ’ カテゴリーのアーカイブ

「宿選び」と「貸切温泉どっとこむ」

2010 年 9 月 30 日 木曜日

温泉旅行に行こうと決めた時、あなたは何を頼りに「宿選び」をしますか?
現代は、インターネット全盛の時代。
2000年以前は、ガイドブックなど書籍関連からの情報収集が主だったものが、ここ10年は、ネットがその主流となっている。
予約サイトも成熟期を迎え、幅広く宿をラインナップするものから、高級路線の宿だけを集めたもの、逆に大幅値引きを売り物にしているサイトも存在している。
それはいわゆる「宿泊プラン」というものをリリースして、消費者に分かりやすく訴えようとしている。
特典を付けたり、値引きをしてお得感を出してアピールするのだ。

そして、消費者は、「宿選び」から、「宿泊プラン選び」になってしまっている事に気付かない?
まあ、これは極論だが、この時世、宿の「格」や「質」で選ぶより、いかにお得に泊まれるかの「バリュー感」で宿選びをしてしまっている場合が多くなってきたと思う。
ビジネスホテルを予約するのと同じように、温泉宿を予約する傾向が感じられるのだ。
宿側もそれに倣い、営業会議を開いては「宿泊プラン」を考えるのだ。

しかし、それってどうなんだろう?
ふと疑問に思ってしまった。
私は個人的な話をすれば、30代前半までは、書籍関連で宿探しをしていた(ネットがなかったので)。
その頃は温泉評論家や温泉ライターの記事を参考に宿探しをしていたように思う。
そして私が30代後半にネットの時代が訪れ、膨大な情報が即座に受け取れるようになった。
その頃(2000年)に「貸切温泉どっとこむ」もスタートした。

予約サイトのいいところは、料金や、エリアなどで条件別検索ができるところ。
ハード情報も、クチコミ情報もあるので、ある程度目安にしやすい。
しかし、そこになぜか「血の通っていない」冷たさを感じるのは私だけであろうか。
宿の説明文を書いているのも、おおよそ宿の経営者か、営業担当者、もしくはサイト管理者側が、公式HPからコピーを拾うような形で、文章を羅列する。

温泉評論家の書いていた叙情的、もしくは専門的なコメントはそこにはない。
でも、ネット全盛の時代になって、彼ら評論家、ライターを生業としている人たちの書いた記事が「情報量の少なさ」を露呈する事にもなってしまった。
温泉や歴史、文化には詳しいけど、客室のインテリアや料理は語れず、またはマーケティングにはまったく知識がない。・・・とか。
実際、彼らの書く温泉ガイドは、それほどの売り上げを記録していない。
逆に、自分たちの宿を取り上げられたことで、宿側が強制的に(?)仕入れる事になり困っているという話もよく聞く。

そのどちらのいいところをカバーしようとして、私は2007年から「貸切温泉どっとこむ」を、一軒ごと地道に記事を改訂している。
自分でいうのもなんだが、温泉、歴史、文化から、宿泊プラン、そして経営者のエピソードまで網羅している、どこにもない、稀有な存在のサイトなのだ。
しかもネットだから、無料で、いつでも見られる。
宿がリニューアルしたら、すぐに記事を書き改める事ができる。

しかし、その膨大な情報をまとめるのは、いかに大変なことかと改めて実感している。
そして、正直言えば、半分後悔もしている。
この努力が、皆さんに少しでも伝わればいいなと思っているのも確か。
それは温泉LOVE、温泉宿LOVEだからできる事。

こんな、コスト度外視で作っているサイトはどこにもないと自慢(?)できる。
そんな事をどこか心に留めていただき、これからも「貸切温泉どっとこむ」にお付き合い願えればこの上ない幸せなのです。
アナログとデジタルの融合したサイト、それが「貸切温泉どっとこむ」。
ぜひ、「宿選び」の参考資料にしていただきたい。
なにしろ、改訂した記事は、一軒の宿だけで一冊の本が作れるほどの「大容量」なのだから・・・。

■「貸切温泉どっとこむ」http://www.kashikiri-onsen.com/

これからの温泉旅館のホームページ

2010 年 1 月 29 日 金曜日

2008年9月のリーマンショック以降、日本経済も不況からなかなか立ち上がれない。
あらゆる産業、業種が業績を下げるなか、旅行業界もご多分に漏れず低空飛行。

その影響からか、最近、私のところにも、温泉旅館の公式HPの作成依頼が多くなった。
でも、デザインだけ変えても、あまりお客は増えてこない。
宿の魅力うんぬんよりも、実際に旅行をしようと考えている人が大幅に減ったからだ。
それでも何か手を打とうとして、一番手っ取り早く、宿泊料金を値下げしても、一時的な集客は図れるが、中長期的には旅館自身の財務環境を悪化させるだけ。
当然ながらブランディングにも良くない。

だからこそ、最近私は、公式HPのリニューアルを受けた場合、宿泊プランや、サービスの改善まで提案するようにしている。
新しい販売促進の方策や、システムを入れないと、この不況を乗り越えられないと思っているからだ。

例えば、チェックイン15時、チェックアウト翌朝10時の、いわゆる1泊2食のスタイルが、今の時代にそぐわなくなってしまったのかもしれない。
また、休前日は客室数の数倍ほどの予約申込みがあって満室になるのに、平日はいつも閑古鳥が鳴いている。
でも、「じゃらん」や、いくつかの旅館のHPを見ても、目新しい斬新な宿泊プランが見つからない。
これでは、やはり苦しい。

箱根など大都市圏に近いところは別にして、ほとんどの温泉地の平日の人通りはガラガラの状態。
だったら・・・・・それを逆に売りこめばいい。
「人がいない」→「うら寂しい」→「都会の喧騒から逃れる」→「自分を見つめ直す」
こういった逆の発想が大事かもしれない。
露天風呂や客室などのハード面の紹介だけでなく、ココロに訴えかけるものが欲しいのだ。

思えば、最近の宿のHPは、Flashなどが多用され、いわば画像に頼り切っているところがある。もう少し、情報が欲しいところをイメージ画像で代用しているのがほとんど。
画像の加工技術が進んだせいで、実際の建物よりキレイにHPに載っているのが多すぎるのも、問題だと思う。

これからは、原点回帰。今後テキストの重要性が増してくるような気がする。
いかにHP閲覧者に文章の力で惹きつけられるか、が重要となってくるのだ。
それは、結果的にSEO効果も促すこともになる。

「新しいシステムの提案」+「ココロを動かすテキスト」・・・これが、2010年版・温泉コム制作の旅館HPのテーマにしようと思っている。

「貸切温泉どっとこむ」9周年

2009 年 12 月 5 日 土曜日

2009年12月4日で、「貸切温泉どっとこむ」が9周年となった。
最初は、私の個人サイトとして誕生して、その後、私の経営する会社で運営するようになった温泉宿の情報サイトなのだが、今振り返ると、これだけ温泉旅館をとりまく環境が変わるのかと思ってしまう9年間だった。

もともと、旅行好き、温泉好きだった私が、個人的に利用していた宿を、当時出始めたばかりのデジタルカメラで撮影した画像付きで宿泊レポートを書いたのが、そもそものスタート。

当時は、ブログもなかったから、ホームページで日記を書く感じだったような気がする。
そして、2000年頃というのは、全国の温泉旅館がいっせいにホームページを作り始めた頃でもあった。
だが、旅館のHPは、なかなかアクセス数を伸ばせないのが実情だった頃、「貸切温泉」というキーワードでポータルサイトを作って、そこから旅館の公式HPにとばそうというのが私の狙いだった。

この名前にしたのは、団体旅行向けの宿ではなくて、個人旅行に向いている宿の紹介にしたかったから。
そして、自分の好きな全国の温泉旅館に少しでも貢献しようというのも、サイト作成に走らせた理由のひとつだった。

もうひとつは、私が経営している広告代理店を、イベント、キャンペーン事業から、インターネットに特化した事業にシフトしていこうという考えもあって、大手企業サイトの制作運営だけでなく、自社運営サイトも必要ということで、いくつか作ったサイトのひとつに過ぎなかった。

東京での仕事の合間をぬって全国に出向き、いざ改めて取材となると、いくつか宿の経営者との交流も増え、そこで、彼らの情熱、心意気に触れることになる。
当然ながら、今まで以上に温泉旅館というものが好きになっていった。

3~4年前からは、要望もあって、その温泉旅館さんの公式HPも手がけるようになった。
その後、予約システムをリリースしたり、いつのまにか、温泉旅館さんの相談にものるようになってきた。

9年前は、今では考えられないが、「インターネットなんて、今だけの流行。そんなもんに頼ったら終わり。」・・・なんておっしゃっていた旅館経営者が数多くいた頃だった。

そこから、だいぶ時代が変わってしまった。

予約サイトには、クチコミ情報が掲載され、宿側もそれに翻弄されるようになった。
いい噂も、昔から比べると考えられないスピードで広まるし、逆に悪いクチコミもあっという間に広まってしまう。
「怖い時代になった・・・」と宿経営者は口をそろえて言う。

私は、時代に逆行しているかもしれないが、個人的に初めて行く温泉宿を予約する場合、予約サイトのクチコミ情報は参考にしないようにしている。
それには、理由がある。
そのクチコミを書いている人の見識、情報収集力が疑問だからだ。

年に2,3回しか旅行しない人や、数えるほどしか温泉宿に泊まっていない人に、評論家のように語られては、それはあまりにも偏った情報となってしまうからだ。
温泉旅館に限らず、一般に流通している商品は、すべて供給側は、ターゲット層を考えて作られている。
温泉宿も同様。それぞれのお宿が考えている年代層、客層に喜んでもらおうと、宿造りをしている。

しかし、宿側も365日、1年中商売をしなければならない事もあり、お得な宿泊プランなどを乱発して、旅行代理店や予約サイトに情報を載せる。
結果的に、ターゲット層でないお客が、宿に訪れることになる。

JTBのアンケートや、予約サイトのクチコミ投稿などを”武器”にしたお客が、宿に訪れ、宿側もクレームをもらわないように必死に応対する。
そこに、昔はなかった変な「緊張感」が生まれるようになってしまった。

「情報公開」というキーワードも、ここ10年間、私が重要視してきたものだ。
ひと昔前までは(もちろん今でもいらっしゃるが)、宿側は「すべてHPで情報を載せるのは疑問。来てからのお楽しみ~。」などと、たかをくくっていた。
しかし、お客が満足しなくても、(宿によほどの落ち度が無い限り)宿側が設定した宿泊料金は払わなくてはならない。
つまり、「お金のリスク」は、お客が持っているのだ。
「お金」だけでなく、「時間」もそうだ。
私もよくあるが、楽しいはずの旅行が、「行かなきゃ良かった~」となっては、踏んだりけったり。
だからこそ、宿側もある程度の情報公開は必要と、ここ10年間、すべての宿にお話してきたつもりだ。

その他、さまざまな事もあって、現在、更新している宿のデータページは、宿によっては公式HP以上の大容量ページになってしまった。
それは、お風呂の数、宿泊プランの紹介、部屋の造り、料理の画像・・・などの平面的な情報だけでは、「自分に合う」宿を探すことは至難の業。

だからこそ、現在の「貸切温泉どっとこむ」の大容量データページとなっている。
豊富な画像はもちろん、エピソードなどもふんだんに入れて、宿の情報を立体的に伝わるように記事作りを心がけている。
2007年暮れ頃から再取材をしてボリュームアップ記事にリニューアルしているが、いまだ3分の1は簡単な記事のまま。
早くすべてのお宿さんのページを更新しなければならないと思っているが、なかなか時間がかかる作業のため、気長に頑張るしかないと思っている。
新規掲載のお宿さんもあるので、また大変なのだ。

ここからは体力勝負のような気もしてくる。
原稿を作る時間は、取材出張中は絶対に無理(ほぼ撮影と取材で時間を取られるから)。
東京にいれば、他に仕事が山積み。
そんな環境で、時間を見つけては画像セレクト、原稿作成をするのだから、睡眠時間を削るしかない。
ここ3年は、東京にいる休日は、ほぼ原稿作成に費やしてきた。

でも、なぜこの生活をやめないか(笑)?
それは、少しでも「旅行好きな人」を増やしたいから。
「貸切温泉どっとこむ」を通して「自分の宿」を見つける事ができた人が増えれば、この上ない幸せなのだ。