‘温泉宿と旅行代理店の関係’ カテゴリーのアーカイブ

直接予約 vs ネット予約サイト

2016 年 8 月 31 日 水曜日

最近、私のブログを見て、取材を申し込んできた著名な経済誌があった。
彼らが聞きたかった内容は、最近の宿泊施設と、予約サイトの関係。
そして、最近話題の予約サイト、または宿泊料金比較サイトの存在。

今更ながらと思うが、宿泊施設は、お客が直接予約をしてくれたほうが、利益が出る。
予約サイトを経由した宿泊予約は、手数料が発生するからだ。

宿泊予約サイトは、集客力があるから、無視できないという考え方がある。
それに対して、私は否定しないが、全面的に肯定はできない。
理由は、このブログで、何度も書いているが、予約サイトは「宿泊施設名」でリスティング(検索連動)広告を出しているから。
「○○旅館の予約は、××ネットへ」というような広告。

最初から、予約サイトのTOPページからスタートして、最終的に宿泊施設を探し出し、予約すれば、約10%と言われる手数料が発生する。
それはいい。
しかし、テレビやガイドブックなどを通じて宿泊施設名を知り、ネットで検索すると、まずは公式HPを閲覧する。
いざ、予約をしようとすると、リスティング広告から、予約サイトを経由してしまう事態が発生する。
それが、宿泊施設自体の財務状況を悪化させている。

予約サイトは、宿泊施設から集金している手数料を原資に、リスティング広告を堂々と出している。
考えてみれば、おかしな話。

私は、客室数50室前後の、人気の温泉旅館を予約した。
その予約は、公式HPからのネット予約。
少しでも、手数料を払わないようにと、私なりの心遣い。

しかし、その宿で、チェックインした際、ふと疑問を感じた。
その宿は、カード払いができる。
直接予約でも、もちろんOKだが、予約サイト経由でも大丈夫だという。

この宿の社長のインタビュー記事を、以前読んだことがあった。
今は、直接予約を増やすべき時代。
ネット全盛の時代だからこそ、予約サイトへ支払う手数料を少しでも減らすべき。・・・と。

予約サイト経由(約10%)で、しかもカード払い(約3%)だと、宿泊施設は合計約13%を負担しなければならない。
私は、直接予約のカード払いだから、宿泊施設は3%の負担だけでいい。

しかし、直接予約の私のメリットは、カード会社のポイントが付くだけ。
予約サイト経由だと、予約サイトのポイントとカード会社のポイントといった、ポイントの二重取りができるのだ。

その宿の公式HPを見ても、直接予約の特典も何もない。
これでは、直接予約が増えるはずもない。

予約サイトは、様々な戦略を練ってビジネスを展開している。
宿泊施設も、頑張っているが、その宿のコンサルタント会社を、後日知ることができた。
そのコンサル会社の社長は、某大手旅行会社の出身。
宿泊施設は、パートナーを誤ると、戦略も机上の空論になってしまう。

現在は、インバウンド需要もあり、“黒船”と呼ばれる海外の予約サイトも次々と日本に上陸している。
わが世の春を謳歌していた国内の予約サイトも、今やうかうかとしていられない状況になってきた。
そんな時こそ、宿泊施設は、未来につながる戦略を考えてほしい。
その戦略は、“直接予約”が、キーワードになってくるのは間違いない。

旅館ホテルが育てたモンスター

2015 年 5 月 31 日 日曜日

最近、銀行出身の旅館経営に携わる方に会った。
彼は最近の予約動向に関して、「最近は、じゃらんnet、楽天トラベルなどの予約サイトを無視できない。実際、前年比で、じゃらんnetも、楽天トラベル経由の予約が増えている。これからもネット予約サイトに力を入れていきたい」・・・という考えらしい。
数字だけで見れば、その通り。
しかし、それには業界独特の“ウラ読み”が必要だ。

予約サイトのTOPページからアクセスして、そのままその宿を選択して予約するのが、本来の予約数。
しかし、ネットの場合、そう簡単ではない。
宿名を知っていて、その宿をネット検索して、公式HPをチェックして、それから複数ある予約サイトから予約する可能性があるからだ。
ご存知のように、予約サイトから手続きすれば、ポイントが付く。
アカウントを持っていれば、公式HPで、住所、電話番号など個人情報を入力する必要もない。

ビジネスホテルは別にして、観光目的の旅館ホテル選びは、予約サイトだけで完結させる場合は少数派だろう。
ほとんどの場合、公式HPを閲覧し、クチコミサイトもチェックするものと推察できる。
雑誌、テレビなどを見て、宿名を知っている場合もある。

弊社調査によると、予約サイトからの予約成立は、実際の数字の10~30%と出た。
つまり、その月のある予約サイトの予約数が100件だとすれば、実際その予約サイトの力だけ(TOPページから入って予約した場合)は、10~30件ほどという事。

10から30の差は、公式HPに、予約サイトのポイントに対抗できるような特典を付けているかどうかの差でもある。
つまり、予約サイトの数字が伸びてきているとの兆候があるという事は、公式HPに何らかの対策が必要だというサインでもある。

さらに忘れてならないのは、多くの予約サイトは、「宿名」で検索連動広告を出している事。
GoogleやYahooで、宿名で検索すれば、すぐ下か横に、〇〇旅館の予約は予約サイトの△△へ・・・と表示される広告の事。
まさに、客泥棒、手数料泥棒と言っていい。

数日前に、ある旅館関係者から聞いた。
楽天トラベルが、近々、旅館から徴収する手数料(宿泊料金の約10%)を、今まで消費税抜きの宿泊料金で計算していたものを、これから税込みの料金から計算するとの通達があったらしい。
つまり、現在8%の消費税だが、これにも手数料を加算する事で、実質的な値上げである。
じゃらんnetや楽天トラベルなどの予約サイトにとって脅威と見られていたYahoo!トラベル(実質手数料0円を標榜)が、リニューアルオープン間近でトラブルを起こし、さらには震災後の不景気も底を打った状況を見ての判断だろうが、ついに手数料値上げのカウントダウンが始まった。
彼らは18%を目標に、これからも宿泊施設側にとって、モンスター化していくだろう。

それを育てたのも、旅館・ホテルの施設側。
安易に目の前のお客が欲しいゆえの安易な販促戦略がそうさせた。
予約サイトはじめ、旅行代理店出身のコンサルタントに、相談したり、参考にした結果かもしれない。

わが愛する旅館・ホテルよ、早く目を覚ましてほしい。
インターネットという、公平かつ、平等に与えられたインフラを活用すべき。
このままでは、宿泊料金という価格さえ、予約サイトの言いなりになってしまう。
宿泊施設側には、「予約サイトに力を入れていく」のではなく、あくまでも「予約サイトを利用して、自社公式サイトからの予約数を増やす」といった、したたかさが欲しい。
私に言わせれば、その方法、施策は、まだたくさん残っている。

革命前夜 その2

2014 年 5 月 31 日 土曜日

2014年の夏、国内の宿泊予約に革命が起きる?

業界の方ならほとんどの方がご存じの、例の「Yahoo!トラベル」の直販化だ。

 

つまり、今までは、「じゃらんnet」はじめ、宿泊予約事業者から提供を受けた宿泊プランを掲載し、予約が成立すると、それらの事業者から手数料を受け取っていた。

それが一転、予約事業者を通さず、宿泊施設と直接契約を結ぶというビジネスモデルに変化させるという事なのだ。

 

しかも、宿泊施設が「Yahoo!トラベル」に情報を掲載する費用としては、予約成立時の手数料5.3%を支払うのみなのだ。

ちょっと前に問題になった、「じゃらんnet」の手数料8%→10%の値上げ騒動が記憶に新しいが、「Yahoo!トラベル」は半額に近い手数料を武器に、宿泊施設の“横取り”を狙う。

 

「Yahoo!トラベル」の武器は、それだけではない。

予約サイト2強と呼ばれる「じゃらんnet」と「楽天トラベル」だが、ユーザー側にとっては、リクルートポイント(2%)や、楽天ポイント(1%)が貯まるといった特典が付いていた。

しかし、リクルートポイントは使えるお店や機会が少ない事で不満が残り、楽天ポイントも「楽天市場」という日本最大級のショッピングサイトで利用できるメリットがあるが、ポイント還元率は1%と少ない。

 

ポイントと言えば、リクルートポイントはもちろん、楽天ポイントもその利用者数から比べれば圧倒的なユーザー数を持つポイント会社が日本にあった。

その名はCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が運営する「Tカード」。

DVD&CDレンタルのツタヤだけでなく、全国にファミリーマートのような大型チェーンなど加盟店6万店を持ち、ユーザーであるTポイント会員は、なんと4600万人を超え、実に日本の人口の3分の1以上がTカードを持っている計算になる。

 

もはや、リクルートポイント、楽天ポイントの敵ではない。

その日本最強のポイント会社と、日本で一番アクセスが多いヤフーが同盟を組んだのだから、リクルートも楽天も相当な危機感を肌に感じているはずだ。

 

宿泊施設の「じゃらんnet」離れ、「楽天トラベル」離れも、徐々に進んでいくだろう。

それは先に書いた手数料5.3%という、数字の低さにある。

しかも、その5.3%の中身は、驚くべきことにその大半である5%は、ユーザーにポイントとして還元してしまうという事なのだ。

じゃらんの2%、楽天の1%と比べても、ケンカにもならない。

残りの0.3%はポイント手数料という名目で、CCCが運営費としてもらう。

つまり、「Yahoo!トラベル」は、一切手数料は受け取らない方式で、広告収入のみで運営していくビジネスモデルにしていくのだ。

 

これは、昨年2013年10月に発表した「Yahoo!ショッピング」手数料無料化と同じ流れだ。

そして、これも同じ流れだが、自社サイトへのリンクがOKになった事。

じゃらんや楽天では、あり得ない、まさかの公式自社サイトへのリンクが認められた事で、自社サイトの集客ツールとしても「Yahoo!トラベル」は使えるという点だ。

元々、手数料といった5.3%はユーザーのポイントのため。

「Yahoo!トラベル」側は、一切成約時の手数料は取らない。

取らないという事は、「Yahoo!トラベル」を経由して、自社サイトで予約しても構わないという意味でもあるのだ。

 

3年前にこのブログで「じゃらんネットが無くなる日」というタイトルで書いた。

それがついに現実化しようとしている。

予約サイトの高額な手数料に頭を悩ませていた宿泊室側にとって、朗報である事に違いはない。

 

宿泊室側は、これまで以上に、自社サイトを強化していくべきであろう。

「Yahoo!トラベル」に支払う5.3%は、集客力の費用、つまり広告費と考えればいい。

 

今まで、予約サイトのポイントに対抗して、自社予約特典を付けていた宿は、今後、「Yahoo!トラベル」のTポイントに対抗して、予約特典を考えなければならない。

しかし、それは今まで以上に敵が強大になっただけという見方もある。

ユーザーに対してのTポイント5%還元は、自社サイト予約(直接予約)の客をどれだけ奪うのか、心配な宿泊施設は多いだろう。

自社サイトへのリンクが自由になった事だけで、喜んでいいとは思えない。

 

「Yahoo!トラベル」がこれらのスタイルになって生まれ変わるのが2014年夏。

とにかく、今は、宿泊予約の革命前夜という時期である事は確かだろう。

私にとっても、すごく興味深い時期が到来した感がある。

 

 

ついに革命前夜?

2014 年 4 月 30 日 水曜日

 

4月10日のヤフーニュースを見た。

ウォール・ストリート・ジャーナル発のその記事のタイトルは「グーグル、ホテル予約事業を強化」。

内容は、「ホテルの情報に画像やレビューを追加して、米プライスライン・グループや米トリップアドバイザーなどの旅行情報サイトに近づけようとしている。・・・米オービッツ・ワールドワイドの幹部によると、同社のようなオンライン旅行代理店はホテルと直接関係を結ぼうとするグーグルの動きを警戒している。・・・グーグルはホテル検索の取り組み強化によって、同社のように宿泊予約サイトへのリンクを掲載しているトリップアドバイザーと競合することになる。」

まだアメリカの旅行業界の話だが、今のネットの世界は、ボーダーレスの時代。

いつ、日本にその状況がやってくるか分からない。

さらに記事の後半には、驚くべきことが書いてあった。

・・・グーグルの新広告はパソコンで「ニューヨーク ヒルトン ミッドタウン」と検索入力すると確認できる。グーグルの従来型のリンクの右横に表示されるボックスには、多数のカスタマーレビュー、バーチャルツアーを始める「中を見る」ボタン、チェックイン・チェックアウトの日付を入力するタブが含まれている。「グーグル・マップ」でも同様の結果が表示される。この広告はスマートフォンにも導入され始めている。

そして、その記事はこう締めくくられている。

・・・ユーザーが日付を入力すると、グーグルの新しい宿泊料広告が表示される。業界幹部らによると、ホテルや旅行代理店は、ユーザーの旅の情報が得られることからこうした広告を奪い合い、グーグルの従来型の広告より多くの料金を支払いそうだ。

いまから、3年前に当ブログで、「じゃらんネットが無くなる日」を書いた。

当時は様々な反響を、関係者から受けた。

そして、ほとんどの方が半信半疑だったようにも思える。

しかし、時代は動き出した。

まさに、「その日」が近づいてきた感はある。

グーグルが、日本でこういった動きを予想するとすればこうだ。

例えば、ユーザーが、ある温泉地名を検索すると、チェックイン・チェックアウトの日付を入力するボックスが表示される。

空室の宿が表示され、そのひとつをクリックすると、宿の公式HPへとぶ仕組みだ。

つまり、じゃらんnetや、楽天トラベルといった“中間業者”を飛び越えて、グーグルが宿と直接関係を結び、“産地直送”の「直接販売」を促すということなのだ。

また、記事にはこうも書いてあった。

・・・グーグルは大手ホテルグループとの関係も構築している。ホテル運営大手の米ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングスは、傘下のホテル78軒の「バーチャルツアー」をグーグルのサイト上で提供している。ヒルトンのデジタル事業グローバルヘッドを務めるジェラルディン・カルピン氏は、こうしたツアーを閲覧した人の方が予約しやすい、と語った。「ラディソン」ブランドを所有する米カールソン・レジドール・ホテル・グループもバーチャルツアーを利用しており、独自の特典制度と連動するオンライン決済にグーグルの「ウォレット」を採用する計画だ。

・・・バーチャルツアー?

わが「貸切温泉どっとこむ」は、膨大な情報量を誇る、国内唯一の温泉宿の宿泊レポートサイトであり、バーチャルツアーサイト。

自画自賛ではないが、このサイトは、まさに未来のための財産になるような気もする。

 

 

宿泊施設は、クロスオーバー的発想が大事

2012 年 11 月 30 日 金曜日

ウィキペディアで、旅行代理店の事を、こんな風に解説していた。

・・・交通・宿泊その他の旅行商品を「仲介(あるいは自社で企画・催行)して販売する」会社のこと。ツーリストビューローやトラベルエージェンシーの他、近年では旅行会社(りょこうがいしゃ)とも呼ばれる。

 「仲介して販売」とあった。

それでは、じゃらんnet(リクルート)や、楽天トラベルなどネット予約サイトで行われている、「宿泊施設名で検索連動型広告(アドワーズ広告など)を出稿し、直接予約の客を奪い、自社サイトへ誘導し、宿泊施設側から10%の手数料を取る」のは、果たして「仲介して販売」なのか?

 いや、違う。

「仲介して販売」ではなく、正確には「(直接予約の客を)横取りして販売」なのである。

もちろん、すべての事には当てはまらない。

しかし、一般的に、その宿泊施設の公式HPにアクセスする際、施設名で検索する率が9割を超えている事を彼らは知っていて、だからこそ有料の検索連動型広告を出している。

それは、すでにじゃらんnetや楽天トラベルが、自社TOPページからの予約成約数が限界に達している証拠。

だから、わざわざお金をかけて検索連動型広告を出しているのだ。

 そんな予約サイトの被害から、温泉旅館を守っているのが、私の数ある仕事のひとつ。(これを被害と思っていない施設が多いのが現状であり、私にとっては驚き)

しかし、上手にじゃらんnetや楽天トラベルを利用し、直接予約を逆に増やしているツワモノ旅館が、最近よく見かけるようになった。

 例えば、こんな手法。

予約サイト内で、別途料金を支払い、宿名が目立つように表示し、誘導する。

予約サイトから、宿の公式HPへは直接リンクしていないが、大体の場合、その宿に興味を持てば、新たに宿名検索をかける。

そして、公式HPに、予約サイトより直接予約の方がお得だと告知し、自らの宿公式HPの予約ページに引き込む戦略。

 または、予約サイトからの客相手には、帰りのチェックアウトの際に、次回、大幅な値引きをする割引券を渡し、次回の直接予約を促す。

・・・など、様々な努力をしている宿が増えてきた。

いい事である。

 今、我が国ニッポンは、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に、参加するかしないかで議論が活発である。

ある業界ではメリットがあるが、一方の業界ではデメリットがある。

 宿泊施設は、予約サイトに参加してメリットもあるだろうが、デメリットもあるという事。

つまりは、時代がクロスオーバーしているのだ。

 だから、宿泊施設側は、おとなしく、大手予約サイトの言いなりになってはいけないのだ。

逆に利用して、直予約を増やそうとの意識が大事なのだ。

本当は、予約サイトとは付き合わないで、すべて賄えればいいのだが・・・。

でも、公式HPで集客している宿は、少なからずあるのです。

 最後に、参考までに。

よく旅館ホテル経営者向けのセミナーを主催したり、コンサルタントをしている人がいるが、その会社、もしくは代表者のルーツが、旅行会社だったら、要注意。

セミナーのタイトルに「直接予約を増やす」なんて事が書いてあっても信じられない。

彼らの深層心理は、予約サイト、旅行会社抱き合わせの戦略しかないのだから。

このネット全盛の時代に・・・。

現状脱却の道は「勇気と決断」

2012 年 6 月 30 日 土曜日

私がこのブログで、たぶん一番多く書いているテーマが、国内の宿泊施設のエージェント依存度問題。

じゃらんnet、楽天トラベルなどの予約サイトには、特に依存率が年々高まっている。

 

様々な宿泊プランを考えたりしながら、ライバル宿の動向を見つつ、いかに予約サイトで目立つように頑張っている宿が多い。

何度も言うが、それはリクルートや楽天トラベルによる“洗脳”によるもの。

 

じゃらんnetで予約が入るのは、マヤカシであり幻想。

え?実際に予約が来てるって?

それじゃ、ヤフーやグーグルで、宿の名前を検索してください。

宿の公式HPの上や右横に、エージェントの広告が載っていませんか?

 

これは、彼ら(エージェント)がお金を払ってまで、その宿のお客を横取りしようとしている確固たる証拠!

予約サイトに払う手数料は、あくまで、じゃらんや楽天のトップページから、地域や日程など様々な条件を入力して、宿がリストアップされ、そこから選ばれ、予約が完了したら払うべきもの。

検索連動型広告を駆使した、いわゆる「待ち伏せ広告」なのである!

宿の公式HPは、アクセスログを検証すると、90%以上の人が「宿の名前」で検索してくる。

それを知っていて、エージェントは待ち伏せをするのである。

 

なぜ、彼らはお金を払ってまで、その広告を出すか?

そうしなければ、お客が予約サイトを利用しなくなるから。

利用されなければ、じゃらんnetや楽天トラベルは契約を切られる。

それがエージェントは何よりも怖いのである。

 

では、今回のテーマの「勇気と決断」。

少し仰々しくなったが、つまりは、今こそ「脱・エージェント」に、経営方針をシフトすべきなのである。

それはその宿自体の「個性の創出」。

金太郎飴みたいな無個性な宿は、いずれ淘汰される。

値引き競争に巻き込まれる。

 

考えてみてほしい。

TOYOTAは、全世界のユーザー相手に商品(クルマ)を開発している。

旅館も同じ、日本のみならず、海外のお客も視野に入れているところも多い。

マーケティングの大きな違いは、TOYOTAのクルマはある程度ターゲット層をはっきりさせているが、旅館は、そのへんが曖昧になっているところだ。

 

そのへんの事を考えれば、10室前後の小規模な宿は、ターゲット層を決めやすい。

ところが、30室以上の宿ともなると、難しくなる。

週末は満室でも、平日がきつくなる。

でも、家族もOK、団体もOK、そして、お二人様もOK・・・とHPで訴えても、八方美人的な印象で、結局、何の魅力も感じなくなる。

 

それでも、そのエリア(温泉地)で、どこもしていないサービスを考えれば、貴重なアドバンテージとなる。

周囲の目など気にしない、「勇気と決断」がここで必要となってくるのだ。

 

それでは、どんなサービスを考えればいいか?

これに関しては、経営者の才覚によるもの。

自分自身に持ち合わせてなければ、外部の人間(コンサルタント)に頼むのも一案だが、そのアイディアを鵜呑みにして採用するかどうかは、やはり経営者の決断になる。

 

繁盛している宿の社長の講演を聞くのもいいが、その宿と同じことをやっても、おそらく効果は期待できない。

繁盛宿になるには、人と同じように、処方箋がそれぞれ違うからだ。

セミナーの講師をしている宿の社長は、それだけで宿がブランド化され、同じ業界の人たちが泊まりに来る。

莫大な費用をかけてネット広告を出している宿をまねてやってもダメ。

お金ばかりかかって、成果は期待できない。

その宿の広告費用は、その宿の営業利益からねん出しているものではない。

裏にはウラがあるという事。

 

一番確実なのは、「自分が泊まりたいな」と思う宿を作る事。

簡単そうで難しいテーマ。

しかし、背伸びしない、無理をしない事も、失敗しない個性作りができるのだ。

 

私は最近「貸切温泉どっとこむ」の取材をしながら、25年間、大企業相手に販売促進の企画書を書いてきた経験から、ネットによるマーケティングを宿に伝授している。

取材者としてより、旅行者としてのキャリアが長い事も、今の私の仕事に役立っている。

泊まりがけの取材だからこそ、できることなのだが、私も同じ経営者。

できれば、何かの縁で取材に訪れた宿。

繁盛してほしい一心で、できるだけの協力を惜しまないつもりだ。

 

「大竹さんの取材は、普通の取材じゃないね。今まで気がつかなかった事を指摘してくれて、販売促進のヒントをたくさん教えてくれる。今まで付き合っていた高額な費用が発生していたコンサルタント以上に役立ったよ。」

・・・ある宿の社長から。これほど嬉しい言葉はない。

家庭を顧みず、旅をしている甲斐があるというものだ(笑)。

宿の直接予約推進にTSUTAYA?

2011 年 2 月 28 日 月曜日

2月26日(土)発行の観光経済新聞にこんな記事が載った。・・・

DVDレンタル店やコンビニ、ガソリンスタンドなど異なる業種の店舗でポイントが貯まり、使えるTポイント。
国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、1182会員)は、会員旅館がTポイントを宿泊プランの直販に活用できるように「Tトラベル」への参加を支援することにした。
年間利用料金の一部などを国観連が負担。大手宿泊予約サイトが相次ぎ手数料率を引き上げる中、販売手数料がかからないTポイントの活用を直販強化策の1つとして検討してもらう考えだ。
Tポイントは、DVDレンタル店のツタヤなどを展開しているカルチュア・コンビニエンス・クラブが管理運営するサービス。
ポイントが付くTカードを持つ会員数は3650万人、ポイントを共有する提携先は69社115ブランド、約3万5千店舗に及ぶ。
Tトラベルは、Tポイントを活用した旅行関連サービスを提供。
国観連は18日、Tトラベルのサイト運営、営業を支援している旅キャピタル(東京都港区)と提携したと発表した。
会員旅館はTトラベルへの参加で、Tポイントの加盟店の権利を得ることができる。
旅館にとってTトラベル参加の最大の利点は、販売を依存することなく、直販の拡大に生かせること。
直販する宿泊プランにTポイントを自由に設定できるようになり、例えば、平日限定のプランや特別なプランだけにポイントを付与することも可能。
100円に対して1ポイントの付与率をキャンペーンなどに応じて2倍、3倍などにも変更できる。
カード決済、現金払いどちらでもポイントを付与できる。
Tトラベルの宿泊予約サイトに宿泊プランを掲載することもできる。
他の宿泊予約専業サイト(ネットエージェント)と異なり、サイト経由で送客を受けても販売手数料は発生しない。
旅館の公式ホームページや電話番号も併せて掲載できるため、自館サイトなどへの誘導にも活用できる。
旅館が負担する費用は、年間利用料金などのほか、ポイント付与の実費。
ポイント付与の実費は直販でも、Tトラベルサイト経由の販売でも生じるもので、例えば、宿泊料金1万円の利用者にポイント2%を付けた場合、2%分の200円とデータ通信料の1%分の100円、合わせて300円の負担となる。
国観連は3月31日までに参加を申し込む会員旅館に対して費用の一部を負担する。加盟料金は通常5万2500円が無料に、年間利用料金は15万1200円が12万6千円になる。
別途、初期費用として端末導入に8万4千円がかかる。
国観連がTポイントの活用を探る背景には、ポイントサービスをめぐる大手宿泊予約サイトの顧客の囲い込み競争の激化がある。
ポイントプログラムの強化に向け、じゃらんnetと一休ドットコムは4月から実質的に手数料率を引き上げることを決めている。
多くの旅館は稼働率の低下、宿泊単価の低迷など、厳しい販売環境を強いられている。
宿泊予約サイトや旅行会社に支払う手数料の負担感は増大しており、宿泊客の満足度の向上と併せ、直販比率のアップが経営課題となっている。
国観連の小関政男専務理事は「旅館の直販を支援したい。手数料負担の軽減に加え、新規客・リピート客獲得の選択肢の1つとしてTトラベルへの参加を検討してほしい」と話す。同時に、国観連は旅館の販売力を強化するため、客室流通の構造改善に向けた自主事業の具体化も進めたいとしている。
・・・というのが記事の内容。

最近では、Tポイントは、DVDレンタル以外でも、ガソリンを入れたり、ファミリーマートで買い物をしたりしても、ポイントが付くシステムになっているのは、皆さんご存知の通り。
これを旅館の宿泊料金に付けようというのが、今回の記事なんです。

普通に考えても、何も特典が付かないよりも、Tポイントが付くことは、お客にとっては魅力的ではある。
でも、通常のTポイントの付与率は1%。
つまり、じゃらんnetの5%ポイント付与より、数字上では負けてしまう。
ただ、じゃらんnetのポイントを全部消化することは難しく、完全にポイントを消化している会員は20%にも満たないとも言われている。
反対にTポイントは、前述のように、レンタルDVDやコンビニでも使用することができ、汎用性が高いサービスではある。

Tポイントの付与率は、宿側によって2~3%とか数字を上げることはできるという事だが、それはそのまま宿側の負担となってしまう。
結局は、じゃらんnetなどのエージェント経由でも手数料(4月から10%)が発生するし、直販のためのTポイント導入にしても、手数料がかかる。
どちらにしても、宿側としては、今まで以上に集客のためのコストが増大するということなのだ。

私は、どちらをお勧めするかと聞かれれば、答えはどちらもNO。
まず、じゃらんnetなどネットエージェントに依存するのは、以前から言っているから省くとして、Tポイントもなぜ反対かと聞かれれば、理由はこうだ。

TSUTAYAの正体を知っているからだ。
「正体」と言ったら大げさだが、そのTポイントを運営しているのは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ。
HPで会社概要などを見ると、事業内容が、いろいろ列記されているが、肝心要の項目が見当たらない。
後ろめたいのか、カッコ悪いのか、分からないが、その業務が書いていない。

その業務とは、ズバリ「名簿屋」。
ツタヤを運営しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の実態は、その会員の個人情報を大手企業などに販売しているのを皆さんご存知だろうか?

私は広告代理店を経営している。
以前、ある日用品メーカーのミーティング室で、CCCの営業の人と同席したことがある。
私がその企業のヘアケア剤のホームページを運営していて、メーカー担当が、CCCの名簿によって、首都圏在住の若い女性を抽出し、ヘアケア剤のサンプルを送ろうとしたわけだ。
その時に、様々な職業や、性別、年齢などによって名簿単価の相場などを聞いた。
年収の高い人や、医師などは、相当高い金額で販売できると言っていた。

私が、宿の公式HPの予約ページに入れるじゃらんnetの予約システム(じゃらんホームページダイレクト)を反対している主な理由は、その会員の個人情報はもちろん、その人が、どの宿に、どのようなプランで宿泊したかの情報が、リクルート社にもたらされるから。
それを利用して、営業マンは、別の宿へ資料に書き換え、アプローチする。

同じように、Tポイントの会員の消費行動が、宿からもらうポイントによって、CCCに情報がもたらされる事になる。
要は、個人情報がリクルート社に行くか、CCCに行くかということ。
CCCにそのお客の情報が行けば、かなり高い確率で、その会員に似たような旅館ホテルの案内やツアーの紹介DMが送られてくるだろう。

TSUTAYAとは、レンタルDVDを使った名簿集めの会社というのが私の実感。
そういえば、最近、大学生の息子に携帯電話会社のauのDMが、CCCによって送られてきた。
息子はドコモのユーザー。
この春にauに乗り換えれば、キャッシュバックなど特典がもらえるなどの内容だった。

とにかく、今回の国観連のCCCとの提携は、何か危うい影を感じる。
どこまで国観連が、CCCの事を理解しているか、機会があれば聞いてみたい。

しかし、宿泊施設側にとって大変な時代になった。
エージェント依存でも、脱エージェントでも、手数料やポイント分負担で、宿泊料金を値上げしないとコストを賄えなくなるからだ。

でも考えてみれば、エージェントに頼まず、独自路線で集客を順調にしている宿は実際に存在する。
他にはないマネのできない個性というポテンシャルがあり、きめ細かいサービスを持っているところは強い。
魅力があれば、多少高くても人はお金を使う。
そうじゃなければ、経営破たんした宿を安く買い取り、超破格値で営業している旅館グループなどのような生き方しかない。

でも、安売り宿には、もうそれ以上の武器はない。
安売りは、最終手段だからだ。
だからこそ、値段を下げる前に、自らの宿の個性を見直すべし。

最近の「貸切温泉どっとこむ」の取材では、それを見つけるのも仕事のひとつと考えている。
それが脱エージェントの一歩でもあるからだ。

じゃらんネットが無くなる日

2011 年 1 月 31 日 月曜日

「じゃらんnetが無くなる」・・・一般ユーザーも、ホテル旅館関係者も耳を疑う言葉だろう。
じゃらんnetに限らず、楽天トラベルなどネットエージェントと呼ばれる予約サイト花盛りのこの時代に、何を言うかとお叱りと受けるのを承知で言う。
明日、明後日の話ではないが、私は近い将来、こんな時代が来るような気がする。
ここでいう近い将来というのは「3年~10年以内」の話だ。

2010年秋にリクルート社が発表した、じゃらんnet販売手数料の値上げ(8%→10%)は、宿泊施設業界にとっては大きな衝撃であった。
2010年の年末から年明けにかけては、各地でリクルート社の経営陣を呼んで、旅館組合などが、値上げを思いとどまらせる話し合いを行っているらしいが、リクルート社は「断固拒否」の意向らしい。
リクルート社としては、ポイントシステムの拡充が主な目的らしいが、その負担を宿泊施設にも負わせるという様相が、各地で不満が噴出している要因らしい。
値上げは2011年4月1日からのスタートを予定しているらしいが、ここ最近になって、噂にはなっていたが、一休ドットコムも同じく4月からの手数料値上げを実行するらしい。

こんな現象は、数年後、歴史を振り返れば小さいことだろう。
リクルート社も、楽天トラベルも、海外のネットエージェントと同様の、実質20%まで手数料を上げることを目標としている節があるからだ。

では、ネットエージェントは、なぜ値上げを画策するか?
現代の日本は人口が減少する方向に向かっている。
それはつまり、旅行人口が減っていくことを意味する。
じゃらんnet(リクルート社)も営利を追求する企業。
各種サービスやシステムを開発して、売上を上げていくことはするだろうが、それも限界がある。
よって、会社が成長するには、率を上げてでも、宿泊施設側からいただく手数料を増やすしかないのだ。

そして、今回のじゃらんnet側の値上げをしたい「言い分」に、「宿泊予約をさせるためのコスト増」がある。
つまり、サイトに誘導して、予約させるための費用が、数年前より増大しているというのだ。
その大部分を占めるのは、ヤフーであればスポンサーサイトと呼ばれるリスティング広告なるものだ。
一般的な旅行の場合、じゃらんnetのTOPページから検索して、「宿泊日」を選択し、「旅館」を選んで、「地域」を選んで、「温泉地」を選んで、「宿名」を絞り込んで予約すれば完了なのだが、実はこのようなストレートな流れの予約は全体の1割と見られる。

実は宿泊施設の公式HPにアクセスする場合、「宿名で検索」が全体の9割を占める。
つまり、その検索ページには「宿名」に関連した「リスティング広告」が、公式HPの表示の上か、右側に表示される仕組みになっている。

そこで「ポイントを武器」に、ネットエージェントは、「客を横取り」するのだ。
宿泊料金が同じであれば、ポイントが付くところで予約するのが人情。
しかし、エージェント経由の予約であれば、宿泊施設側は、2人で30,000円の宿泊料金の場合、3,000円(10%の場合)も、リクルート社に支払わなくてはならない。

私は、何度も、ブログや、ツイッターで発言しているが、これはどう考えてもおかしい。
本来、手数料は、じゃらんnetのTOPページから入って予約が完了すれば、宿側が手数料を払うもの。
ところが、宿名検索のページにリスティング広告(私はこれを待ち伏せ広告と呼ぶ)をはられ、そこで直接予約から手数料のかかるエージェント予約に切り替えさせるのは商道徳的にもおかしい。

こんな待ち伏せ広告をうつために、宿側に手数料を徴収するなど、時代劇に出てくる悪代官のする所業。

なぜ、こんな理不尽な仕打ちを受けてまで、なぜ全国の宿泊施設は声をあげない?
いや、箱根のように一部声を上げているようだが、リクルート社を論破できる人材がいないのか・・・。
それは、やはりインターネットに関して、熟知しているネットエージェント側と、まったくと言っていいほど無知に近い宿泊施設側の差がこの問題の根底にある。

じゃらんnetは、「どうせ一部反対意見が出るだろうが、結果的には値上げには応じざるを得ないだろう。」と高をくくっている。
集客活動を、公式HPを強化し、自ら企画実行するのではなく、じゃらんnetなどのネットエージェントに頼ってきた(丸投げしてきた)ツケがあるからこそ、じゃらんnetにはなぜか余裕を感じさせるのだ。

じゃらんnetは、毎年20%の成長を目指して、今回の値上げも実行したいらしいが、ほとんどの宿泊施設側にとっては、20%成長など夢のまた夢。

歴史は繰り返される。
ある一方が(支配者側が)栄華を極めるなか、ある一方が(支配される側が)不満を募らせれば、それは最終的に「革命」「政変」が起きる。
日本に置き換えれば、「幕末」にも似ている。
「江戸幕府」が、じゃらんnet、楽天トラベル、るるぶトラベルなどのネットエージェント。
そして、私が冒頭で「じゃらんnetが無くなる」と予言したのは、実は、現代の日本にも「黒船」が来航しているからだ。

私の言う「黒船」とはズバリ、Googleの事である。
Googleは、現在、地球上の人類の知的財産をすべてデータベース化しようとしている。
その流れで最近では「電子書籍」も注目を浴びている。
紙を主体としてきた出版業界は、今や嵐の真っただ中。
その前にも、テレビ・新聞・ラジオなどの旧メディア陣営に、大きな衝撃を与えた。
つい最近まで、人気産業だったテレビ業界も、今や大リストラが敢行されているのが実情。

つまり、ここ10年を振り返ると、Googleを中心としたネット企業は、あらゆる産業を再編成、もしくは破壊してきた。
それは歴史の中では必然のことであり、時代に付いていけないものは淘汰され、時流に乗れば生き残る。

実は、じゃらんnet、楽天トラベルも、一番恐れているのは、Google。
書籍データベース化が一段落したら、今度はこれからの21世紀の成長産業とも言える観光業界のデータベース化かもしれない。

Googleの検索機能は、もうすぐ驚くべき進化を見せるとの噂が広がっている。
人工知能(AI)を擁し、「予測検索」を完成させ、ユーザーがキーワードを入力しなくてもユーザーの趣味嗜好を考えて検索してくれる「自律検索」の時代がもうすぐやってくる。

宿泊施設側の公式HPに、これらのオープンソースを組み入れることによって、じゃらんnetなどのような旧態依然の検索が必要なくなり、ユーザーはGoogleを通して、ダイレクトに宿泊施設に予約を入れられるようになる。
つまり、宿側にとっては、手数料のかからない直接予約となる。

これこそ、まさに「明治維新」と同じ政変。
そんな「大政奉還」を目指して、微力ながら、私は今日も頑張っている。
いま、私が手掛けている宿のオフィシャルサイトは、まさに次世代型と言えるだろう。
それには「貸切温泉どっとこむ」の存在も不可欠だ。

でも、じゃらんnetもしぶとく「クチコミサイト」として生き残っていくような気もするなあ。

じゃらんネット送客手数料値上げの「ウラ」

2010 年 11 月 30 日 火曜日

11月23日にこんなニュースがネットを賑わした。
・・・・・インターネット宿泊予約サイトの攻勢が止まらない。楽天トラベルと並ぶ日本最大級の宿泊予約サイト「じゃらんnet(ネット)」を運営するリクルートが、利用者へのポイントサービス強化にともない、宿泊施設側に販売手数料率の引き上げを通告。施設側から反発が相次ぐ事態となっている。ただ、急増する利用者の利便性向上を盾にリクルート側は引かない構えで、他サイトにも同様の動きが広がりそうだ。~「産経ニュース」より

これは、簡単に言えば「手数料の値上げ」=「宿泊施設の負担増」のニュース。
一般の旅行者には直接関係ない、宿泊施設側の問題。

リクルート社の“言い訳”(言い分)は以下の通り。
・・・・・リクルートは、じゃらんネットのポイント(1ポイント=1円)を来年4月以降、グループ内の飲食総合情報サイトなどと共通化すると発表。飲食店予約など他サービスで付与されるポイントも、じゃらんネットの旅行商品に使えるようにする。
また、現行はポイントの使用を旅行代金の10%以内(3万円の旅行なら3000ポイントまで)に限定していたが、これを最大3万ポイントまで使えるようにする。
グループ内のさまざまなサービスで得たポイントが3万ポイントに達すれば、3万円の旅行を無料で購入できる。
今回のポイントサービス強化は、同様のサービスで人気のライバル・楽天トラベルに対抗したもの。
~「産経ニュース」より

ポイントサービス強化はいいとしても、同時に販売手数料の値上げを発表したので、宿泊施設側は驚いたわけだ。
新制度で利用者に付与するポイントは旅行代金の2%だが、リクルートはこの2%分を販売手数料に上乗せし、宿泊施設に課す方針を打ち出したことで、怒りを買った。

例えば、2人以上1室利用では現行の8%が10%になり、シングルではシステム利用料率自体の引き上げと合わせて4%から8%に倍増させる。
3万円のシングルプランを、じゃらんネットを通じて販売した場合、リクルートに支払う手数料が従来の1200円から2400円となる。~「産経ニュース」より

リクルートは、利用者がポイントを使った場合、同社が現金を宿泊施設に振り込む方式とし、「2%分は実質的にその原資」と強調。プロモーション充実などによる施設への還元効果を訴え、理解を得たい考えだ。

しかし、宿泊施設側の不満のボルテージは上がる一方。

国際観光旅館連盟の近畿支部はリクルートの発表と同日に、「2%付与分をわずかな値上げであるかのように施設に説明しているが、負担率のアップは明確」と撤回を求める要望書を提出。
さらに今月5日には箱根温泉旅館協同組合も「組合員の疑念、不安が増している」として、協議申し入れ書を提出した。26日にはリクルートが公開説明会を開催するが、組合側は値上げの論拠の開示や負担減を求めるとみられる。
リクルートは来年3月まで契約施設への説得を続ける意向だが、「利用者の利便性向上は譲れない。納得できない施設の契約解除はやむを得ない」と“強行突破”もちらつかせる。~「産経ニュース」より

まさにリクルートは「強気」です。
その背景には、じゃらんネットの今年4~9月期の取扱高が、前年同期比18%増の1989億円に急増した事も要因。
旅行業界最大手のJTBに次ぐ規模に達しているのだ。

しかし、リクルート(楽天トラベルもそうだが)の、その「強気」を育ててしまったのは、皮肉にも今回の被害者(当事者)である宿泊施設に原因がある。
自らの集客活動を疎かにし、じゃらんネットや、楽天トラベルのような、簡単で便利なネットエージェントに丸投げしてしまった結果、彼らを太らせ、わがままし放題の怪物に成長させてしまったからだ。

リクルート社は、「利用者のためのポイントサービスの強化」としているが、別の見方をすれば、「じゃらんネットのさらなる集客力の増大」を狙っている事に他ならない。
そのポイントサービス強化資金を、そのまま宿泊施設側に負担させるという図式が今回の問題。
“言い方”次第で、いかにも美しく表現できるということだ。

私は、何度もこのブログや、ツイッターで、ネットエージェントの不合理、不道徳を説明してきた。
改めて、簡単に言えば、人は宿泊施設を検索する場合、ほぼ90%以上が「宿名(宿泊施設の名前)」で検索する。
じゃらんネットや楽天トラベルは、それを熟知しているから、「宿名」でリスティング広告(検索連動型広告)をうつ。
宿の公式HPは閲覧してくれるが、その中で、実際予約する人は、料金が同じであれば「ポイントが付く」じゃらんネットや楽天トラベルを通してしまうという不合理が発生するのだ。

もともと、販売(送客)手数料というのは、じゃらんネットのTOPページから、いくつかのページを経て、宿の情報ページまでたどり着き、そこで予約すれば、宿側がじゃらんネットに支払うもの。
しかし、それでは、数多くの宿泊施設へ集客できないから、リクルートや楽天は、「宿名でリスティング広告をうつ」暴挙に出たのだ。
そうすれば、まんべんなく、宿泊施設から販売手数料を受け取れる。
送客の実績を積めば、契約も解除されないというカラクリだ。

ヤフーやグーグルのリスティング広告は、もちろん無料ではない。
有料であるにも関わらず、なぜじゃらんネットや楽天トラベルはリスティング広告を止めないかというと、TOPページのアクセス数を考えても、許容範囲を超えた宿泊施設数を掲載しているから。
つまりキャパの限界をいっているので、有料でも「宿名でのリスティング広告」は欠かせないのだ。

無知な宿泊施設の経営者は、送客がどこからされたかの「分類」を見るだけで、どうやって予約されたかの「過程」を見ていない。
「自社HPを閲覧してもらったのに、予約はじゃらんネットでされた」・・・という事が、日常茶飯事で行われている。
それを知らずか、知ってて指をくわえていただけなのか、わからないが、きつい言い方をすれば、宿泊施設側も「自業自得」といった感は拭えない。

だからこそ、宿の生き残る道は、「脱・エージェント」と、事あるごとに言ってきた。
実際、私が手掛けたHPをフル活用しているお宿さんは、エージェント依存を脱却し、ほぼ自前のHPと電話予約だけで、客室稼働率90%を維持している。
自分で言うのもなんだが、「賢者の宿」と表現したい。

でも、じゃらんネットと楽天トラベルの天下が、ずっと続くとも思えない。
もしかしたら、あと4~5年でこの世から無くなっているかもしれない。
その根拠は、あることはある。
それはまた次回で、ある機会の折にご紹介するつもり。

温泉宿とtwitter③

2010 年 6 月 30 日 水曜日

5月28日にアップルのタブレット型デバイス「iPad」が日本上陸した。
iPhoneをそのまま大きくした形状はもちろん、あの画面タッチの軽快な操作性も受け継がれている。
私も6月中旬には手に入れたが、本格的にはまだ使っていない。
理由は忙しいということもあるが、WEBでいえばFlash画面は見れないし、初期設定もまだ完全ではない。
それより個人的には、何より「重い」のが最大の欠点だと思う。これではアップルが言っている「どこでも気ままに持ち歩く」・・・というは、やはり無理。

そんなiPadだが、嬉しいこともあった。
私のtwitterのフォロワーで、いち早くiPadを手に入れた方から「貸切温泉どっとこむのページが凄く見やすいです。縦長の記事がiPadにピッタリです。」との事。
実際、私も見てみたらなるほどジャストサイズだった。
まるでiPad専用のコンテンツのように。

その私の個人twitterアカウントのフォロワーが、6月末でもうすぐ6000人を超えようとしている。
いろいろ実験した2ヶ月だったが、ひとつ確信できたのは、「温泉宿の新しい紹介のカタチ」が見えてきたことだ。
温泉がどうの、料理がどうの、施設がどうのと色々宿を紹介するにはある程度の文字数が必要。
ところがtwitterは、140文字の字数制限がある。
そこで、私は現地に宿泊取材をしている中で、記事に書けなかったエピソードネタを散りばめようと考えた。
するとみるみるURLのクリック率が上がった。
宿の魅力は何もハード面やサービスの内容だけではない。様々な人間がそこで働き、生きていることで様々な事が起きる。それをツイートすれば、それも温泉宿のもうひとつの一面だろうと考えたわけだ。
最近、脱線してしまう事もあるが、ようやく私なりのtwitterの生かし方を見つけたような気がした。
■大竹仁一twitter  http://twitter.com/jin_ohtake
■「貸切温泉どっとこむ」twitter  http://twitter.com/kashikiri_onsen