‘温泉宿と旅行代理店の関係’ カテゴリーのアーカイブ

宿の直接予約推進にTSUTAYA?

2011 年 2 月 28 日 月曜日

2月26日(土)発行の観光経済新聞にこんな記事が載った。・・・

DVDレンタル店やコンビニ、ガソリンスタンドなど異なる業種の店舗でポイントが貯まり、使えるTポイント。
国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、1182会員)は、会員旅館がTポイントを宿泊プランの直販に活用できるように「Tトラベル」への参加を支援することにした。
年間利用料金の一部などを国観連が負担。大手宿泊予約サイトが相次ぎ手数料率を引き上げる中、販売手数料がかからないTポイントの活用を直販強化策の1つとして検討してもらう考えだ。
Tポイントは、DVDレンタル店のツタヤなどを展開しているカルチュア・コンビニエンス・クラブが管理運営するサービス。
ポイントが付くTカードを持つ会員数は3650万人、ポイントを共有する提携先は69社115ブランド、約3万5千店舗に及ぶ。
Tトラベルは、Tポイントを活用した旅行関連サービスを提供。
国観連は18日、Tトラベルのサイト運営、営業を支援している旅キャピタル(東京都港区)と提携したと発表した。
会員旅館はTトラベルへの参加で、Tポイントの加盟店の権利を得ることができる。
旅館にとってTトラベル参加の最大の利点は、販売を依存することなく、直販の拡大に生かせること。
直販する宿泊プランにTポイントを自由に設定できるようになり、例えば、平日限定のプランや特別なプランだけにポイントを付与することも可能。
100円に対して1ポイントの付与率をキャンペーンなどに応じて2倍、3倍などにも変更できる。
カード決済、現金払いどちらでもポイントを付与できる。
Tトラベルの宿泊予約サイトに宿泊プランを掲載することもできる。
他の宿泊予約専業サイト(ネットエージェント)と異なり、サイト経由で送客を受けても販売手数料は発生しない。
旅館の公式ホームページや電話番号も併せて掲載できるため、自館サイトなどへの誘導にも活用できる。
旅館が負担する費用は、年間利用料金などのほか、ポイント付与の実費。
ポイント付与の実費は直販でも、Tトラベルサイト経由の販売でも生じるもので、例えば、宿泊料金1万円の利用者にポイント2%を付けた場合、2%分の200円とデータ通信料の1%分の100円、合わせて300円の負担となる。
国観連は3月31日までに参加を申し込む会員旅館に対して費用の一部を負担する。加盟料金は通常5万2500円が無料に、年間利用料金は15万1200円が12万6千円になる。
別途、初期費用として端末導入に8万4千円がかかる。
国観連がTポイントの活用を探る背景には、ポイントサービスをめぐる大手宿泊予約サイトの顧客の囲い込み競争の激化がある。
ポイントプログラムの強化に向け、じゃらんnetと一休ドットコムは4月から実質的に手数料率を引き上げることを決めている。
多くの旅館は稼働率の低下、宿泊単価の低迷など、厳しい販売環境を強いられている。
宿泊予約サイトや旅行会社に支払う手数料の負担感は増大しており、宿泊客の満足度の向上と併せ、直販比率のアップが経営課題となっている。
国観連の小関政男専務理事は「旅館の直販を支援したい。手数料負担の軽減に加え、新規客・リピート客獲得の選択肢の1つとしてTトラベルへの参加を検討してほしい」と話す。同時に、国観連は旅館の販売力を強化するため、客室流通の構造改善に向けた自主事業の具体化も進めたいとしている。
・・・というのが記事の内容。

最近では、Tポイントは、DVDレンタル以外でも、ガソリンを入れたり、ファミリーマートで買い物をしたりしても、ポイントが付くシステムになっているのは、皆さんご存知の通り。
これを旅館の宿泊料金に付けようというのが、今回の記事なんです。

普通に考えても、何も特典が付かないよりも、Tポイントが付くことは、お客にとっては魅力的ではある。
でも、通常のTポイントの付与率は1%。
つまり、じゃらんnetの5%ポイント付与より、数字上では負けてしまう。
ただ、じゃらんnetのポイントを全部消化することは難しく、完全にポイントを消化している会員は20%にも満たないとも言われている。
反対にTポイントは、前述のように、レンタルDVDやコンビニでも使用することができ、汎用性が高いサービスではある。

Tポイントの付与率は、宿側によって2~3%とか数字を上げることはできるという事だが、それはそのまま宿側の負担となってしまう。
結局は、じゃらんnetなどのエージェント経由でも手数料(4月から10%)が発生するし、直販のためのTポイント導入にしても、手数料がかかる。
どちらにしても、宿側としては、今まで以上に集客のためのコストが増大するということなのだ。

私は、どちらをお勧めするかと聞かれれば、答えはどちらもNO。
まず、じゃらんnetなどネットエージェントに依存するのは、以前から言っているから省くとして、Tポイントもなぜ反対かと聞かれれば、理由はこうだ。

TSUTAYAの正体を知っているからだ。
「正体」と言ったら大げさだが、そのTポイントを運営しているのは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ。
HPで会社概要などを見ると、事業内容が、いろいろ列記されているが、肝心要の項目が見当たらない。
後ろめたいのか、カッコ悪いのか、分からないが、その業務が書いていない。

その業務とは、ズバリ「名簿屋」。
ツタヤを運営しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の実態は、その会員の個人情報を大手企業などに販売しているのを皆さんご存知だろうか?

私は広告代理店を経営している。
以前、ある日用品メーカーのミーティング室で、CCCの営業の人と同席したことがある。
私がその企業のヘアケア剤のホームページを運営していて、メーカー担当が、CCCの名簿によって、首都圏在住の若い女性を抽出し、ヘアケア剤のサンプルを送ろうとしたわけだ。
その時に、様々な職業や、性別、年齢などによって名簿単価の相場などを聞いた。
年収の高い人や、医師などは、相当高い金額で販売できると言っていた。

私が、宿の公式HPの予約ページに入れるじゃらんnetの予約システム(じゃらんホームページダイレクト)を反対している主な理由は、その会員の個人情報はもちろん、その人が、どの宿に、どのようなプランで宿泊したかの情報が、リクルート社にもたらされるから。
それを利用して、営業マンは、別の宿へ資料に書き換え、アプローチする。

同じように、Tポイントの会員の消費行動が、宿からもらうポイントによって、CCCに情報がもたらされる事になる。
要は、個人情報がリクルート社に行くか、CCCに行くかということ。
CCCにそのお客の情報が行けば、かなり高い確率で、その会員に似たような旅館ホテルの案内やツアーの紹介DMが送られてくるだろう。

TSUTAYAとは、レンタルDVDを使った名簿集めの会社というのが私の実感。
そういえば、最近、大学生の息子に携帯電話会社のauのDMが、CCCによって送られてきた。
息子はドコモのユーザー。
この春にauに乗り換えれば、キャッシュバックなど特典がもらえるなどの内容だった。

とにかく、今回の国観連のCCCとの提携は、何か危うい影を感じる。
どこまで国観連が、CCCの事を理解しているか、機会があれば聞いてみたい。

しかし、宿泊施設側にとって大変な時代になった。
エージェント依存でも、脱エージェントでも、手数料やポイント分負担で、宿泊料金を値上げしないとコストを賄えなくなるからだ。

でも考えてみれば、エージェントに頼まず、独自路線で集客を順調にしている宿は実際に存在する。
他にはないマネのできない個性というポテンシャルがあり、きめ細かいサービスを持っているところは強い。
魅力があれば、多少高くても人はお金を使う。
そうじゃなければ、経営破たんした宿を安く買い取り、超破格値で営業している旅館グループなどのような生き方しかない。

でも、安売り宿には、もうそれ以上の武器はない。
安売りは、最終手段だからだ。
だからこそ、値段を下げる前に、自らの宿の個性を見直すべし。

最近の「貸切温泉どっとこむ」の取材では、それを見つけるのも仕事のひとつと考えている。
それが脱エージェントの一歩でもあるからだ。

じゃらんネットが無くなる日

2011 年 1 月 31 日 月曜日

「じゃらんnetが無くなる」・・・一般ユーザーも、ホテル旅館関係者も耳を疑う言葉だろう。
じゃらんnetに限らず、楽天トラベルなどネットエージェントと呼ばれる予約サイト花盛りのこの時代に、何を言うかとお叱りと受けるのを承知で言う。
明日、明後日の話ではないが、私は近い将来、こんな時代が来るような気がする。
ここでいう近い将来というのは「3年~10年以内」の話だ。

2010年秋にリクルート社が発表した、じゃらんnet販売手数料の値上げ(8%→10%)は、宿泊施設業界にとっては大きな衝撃であった。
2010年の年末から年明けにかけては、各地でリクルート社の経営陣を呼んで、旅館組合などが、値上げを思いとどまらせる話し合いを行っているらしいが、リクルート社は「断固拒否」の意向らしい。
リクルート社としては、ポイントシステムの拡充が主な目的らしいが、その負担を宿泊施設にも負わせるという様相が、各地で不満が噴出している要因らしい。
値上げは2011年4月1日からのスタートを予定しているらしいが、ここ最近になって、噂にはなっていたが、一休ドットコムも同じく4月からの手数料値上げを実行するらしい。

こんな現象は、数年後、歴史を振り返れば小さいことだろう。
リクルート社も、楽天トラベルも、海外のネットエージェントと同様の、実質20%まで手数料を上げることを目標としている節があるからだ。

では、ネットエージェントは、なぜ値上げを画策するか?
現代の日本は人口が減少する方向に向かっている。
それはつまり、旅行人口が減っていくことを意味する。
じゃらんnet(リクルート社)も営利を追求する企業。
各種サービスやシステムを開発して、売上を上げていくことはするだろうが、それも限界がある。
よって、会社が成長するには、率を上げてでも、宿泊施設側からいただく手数料を増やすしかないのだ。

そして、今回のじゃらんnet側の値上げをしたい「言い分」に、「宿泊予約をさせるためのコスト増」がある。
つまり、サイトに誘導して、予約させるための費用が、数年前より増大しているというのだ。
その大部分を占めるのは、ヤフーであればスポンサーサイトと呼ばれるリスティング広告なるものだ。
一般的な旅行の場合、じゃらんnetのTOPページから検索して、「宿泊日」を選択し、「旅館」を選んで、「地域」を選んで、「温泉地」を選んで、「宿名」を絞り込んで予約すれば完了なのだが、実はこのようなストレートな流れの予約は全体の1割と見られる。

実は宿泊施設の公式HPにアクセスする場合、「宿名で検索」が全体の9割を占める。
つまり、その検索ページには「宿名」に関連した「リスティング広告」が、公式HPの表示の上か、右側に表示される仕組みになっている。

そこで「ポイントを武器」に、ネットエージェントは、「客を横取り」するのだ。
宿泊料金が同じであれば、ポイントが付くところで予約するのが人情。
しかし、エージェント経由の予約であれば、宿泊施設側は、2人で30,000円の宿泊料金の場合、3,000円(10%の場合)も、リクルート社に支払わなくてはならない。

私は、何度も、ブログや、ツイッターで発言しているが、これはどう考えてもおかしい。
本来、手数料は、じゃらんnetのTOPページから入って予約が完了すれば、宿側が手数料を払うもの。
ところが、宿名検索のページにリスティング広告(私はこれを待ち伏せ広告と呼ぶ)をはられ、そこで直接予約から手数料のかかるエージェント予約に切り替えさせるのは商道徳的にもおかしい。

こんな待ち伏せ広告をうつために、宿側に手数料を徴収するなど、時代劇に出てくる悪代官のする所業。

なぜ、こんな理不尽な仕打ちを受けてまで、なぜ全国の宿泊施設は声をあげない?
いや、箱根のように一部声を上げているようだが、リクルート社を論破できる人材がいないのか・・・。
それは、やはりインターネットに関して、熟知しているネットエージェント側と、まったくと言っていいほど無知に近い宿泊施設側の差がこの問題の根底にある。

じゃらんnetは、「どうせ一部反対意見が出るだろうが、結果的には値上げには応じざるを得ないだろう。」と高をくくっている。
集客活動を、公式HPを強化し、自ら企画実行するのではなく、じゃらんnetなどのネットエージェントに頼ってきた(丸投げしてきた)ツケがあるからこそ、じゃらんnetにはなぜか余裕を感じさせるのだ。

じゃらんnetは、毎年20%の成長を目指して、今回の値上げも実行したいらしいが、ほとんどの宿泊施設側にとっては、20%成長など夢のまた夢。

歴史は繰り返される。
ある一方が(支配者側が)栄華を極めるなか、ある一方が(支配される側が)不満を募らせれば、それは最終的に「革命」「政変」が起きる。
日本に置き換えれば、「幕末」にも似ている。
「江戸幕府」が、じゃらんnet、楽天トラベル、るるぶトラベルなどのネットエージェント。
そして、私が冒頭で「じゃらんnetが無くなる」と予言したのは、実は、現代の日本にも「黒船」が来航しているからだ。

私の言う「黒船」とはズバリ、Googleの事である。
Googleは、現在、地球上の人類の知的財産をすべてデータベース化しようとしている。
その流れで最近では「電子書籍」も注目を浴びている。
紙を主体としてきた出版業界は、今や嵐の真っただ中。
その前にも、テレビ・新聞・ラジオなどの旧メディア陣営に、大きな衝撃を与えた。
つい最近まで、人気産業だったテレビ業界も、今や大リストラが敢行されているのが実情。

つまり、ここ10年を振り返ると、Googleを中心としたネット企業は、あらゆる産業を再編成、もしくは破壊してきた。
それは歴史の中では必然のことであり、時代に付いていけないものは淘汰され、時流に乗れば生き残る。

実は、じゃらんnet、楽天トラベルも、一番恐れているのは、Google。
書籍データベース化が一段落したら、今度はこれからの21世紀の成長産業とも言える観光業界のデータベース化かもしれない。

Googleの検索機能は、もうすぐ驚くべき進化を見せるとの噂が広がっている。
人工知能(AI)を擁し、「予測検索」を完成させ、ユーザーがキーワードを入力しなくてもユーザーの趣味嗜好を考えて検索してくれる「自律検索」の時代がもうすぐやってくる。

宿泊施設側の公式HPに、これらのオープンソースを組み入れることによって、じゃらんnetなどのような旧態依然の検索が必要なくなり、ユーザーはGoogleを通して、ダイレクトに宿泊施設に予約を入れられるようになる。
つまり、宿側にとっては、手数料のかからない直接予約となる。

これこそ、まさに「明治維新」と同じ政変。
そんな「大政奉還」を目指して、微力ながら、私は今日も頑張っている。
いま、私が手掛けている宿のオフィシャルサイトは、まさに次世代型と言えるだろう。
それには「貸切温泉どっとこむ」の存在も不可欠だ。

でも、じゃらんnetもしぶとく「クチコミサイト」として生き残っていくような気もするなあ。

じゃらんネット送客手数料値上げの「ウラ」

2010 年 11 月 30 日 火曜日

11月23日にこんなニュースがネットを賑わした。
・・・・・インターネット宿泊予約サイトの攻勢が止まらない。楽天トラベルと並ぶ日本最大級の宿泊予約サイト「じゃらんnet(ネット)」を運営するリクルートが、利用者へのポイントサービス強化にともない、宿泊施設側に販売手数料率の引き上げを通告。施設側から反発が相次ぐ事態となっている。ただ、急増する利用者の利便性向上を盾にリクルート側は引かない構えで、他サイトにも同様の動きが広がりそうだ。~「産経ニュース」より

これは、簡単に言えば「手数料の値上げ」=「宿泊施設の負担増」のニュース。
一般の旅行者には直接関係ない、宿泊施設側の問題。

リクルート社の“言い訳”(言い分)は以下の通り。
・・・・・リクルートは、じゃらんネットのポイント(1ポイント=1円)を来年4月以降、グループ内の飲食総合情報サイトなどと共通化すると発表。飲食店予約など他サービスで付与されるポイントも、じゃらんネットの旅行商品に使えるようにする。
また、現行はポイントの使用を旅行代金の10%以内(3万円の旅行なら3000ポイントまで)に限定していたが、これを最大3万ポイントまで使えるようにする。
グループ内のさまざまなサービスで得たポイントが3万ポイントに達すれば、3万円の旅行を無料で購入できる。
今回のポイントサービス強化は、同様のサービスで人気のライバル・楽天トラベルに対抗したもの。
~「産経ニュース」より

ポイントサービス強化はいいとしても、同時に販売手数料の値上げを発表したので、宿泊施設側は驚いたわけだ。
新制度で利用者に付与するポイントは旅行代金の2%だが、リクルートはこの2%分を販売手数料に上乗せし、宿泊施設に課す方針を打ち出したことで、怒りを買った。

例えば、2人以上1室利用では現行の8%が10%になり、シングルではシステム利用料率自体の引き上げと合わせて4%から8%に倍増させる。
3万円のシングルプランを、じゃらんネットを通じて販売した場合、リクルートに支払う手数料が従来の1200円から2400円となる。~「産経ニュース」より

リクルートは、利用者がポイントを使った場合、同社が現金を宿泊施設に振り込む方式とし、「2%分は実質的にその原資」と強調。プロモーション充実などによる施設への還元効果を訴え、理解を得たい考えだ。

しかし、宿泊施設側の不満のボルテージは上がる一方。

国際観光旅館連盟の近畿支部はリクルートの発表と同日に、「2%付与分をわずかな値上げであるかのように施設に説明しているが、負担率のアップは明確」と撤回を求める要望書を提出。
さらに今月5日には箱根温泉旅館協同組合も「組合員の疑念、不安が増している」として、協議申し入れ書を提出した。26日にはリクルートが公開説明会を開催するが、組合側は値上げの論拠の開示や負担減を求めるとみられる。
リクルートは来年3月まで契約施設への説得を続ける意向だが、「利用者の利便性向上は譲れない。納得できない施設の契約解除はやむを得ない」と“強行突破”もちらつかせる。~「産経ニュース」より

まさにリクルートは「強気」です。
その背景には、じゃらんネットの今年4~9月期の取扱高が、前年同期比18%増の1989億円に急増した事も要因。
旅行業界最大手のJTBに次ぐ規模に達しているのだ。

しかし、リクルート(楽天トラベルもそうだが)の、その「強気」を育ててしまったのは、皮肉にも今回の被害者(当事者)である宿泊施設に原因がある。
自らの集客活動を疎かにし、じゃらんネットや、楽天トラベルのような、簡単で便利なネットエージェントに丸投げしてしまった結果、彼らを太らせ、わがままし放題の怪物に成長させてしまったからだ。

リクルート社は、「利用者のためのポイントサービスの強化」としているが、別の見方をすれば、「じゃらんネットのさらなる集客力の増大」を狙っている事に他ならない。
そのポイントサービス強化資金を、そのまま宿泊施設側に負担させるという図式が今回の問題。
“言い方”次第で、いかにも美しく表現できるということだ。

私は、何度もこのブログや、ツイッターで、ネットエージェントの不合理、不道徳を説明してきた。
改めて、簡単に言えば、人は宿泊施設を検索する場合、ほぼ90%以上が「宿名(宿泊施設の名前)」で検索する。
じゃらんネットや楽天トラベルは、それを熟知しているから、「宿名」でリスティング広告(検索連動型広告)をうつ。
宿の公式HPは閲覧してくれるが、その中で、実際予約する人は、料金が同じであれば「ポイントが付く」じゃらんネットや楽天トラベルを通してしまうという不合理が発生するのだ。

もともと、販売(送客)手数料というのは、じゃらんネットのTOPページから、いくつかのページを経て、宿の情報ページまでたどり着き、そこで予約すれば、宿側がじゃらんネットに支払うもの。
しかし、それでは、数多くの宿泊施設へ集客できないから、リクルートや楽天は、「宿名でリスティング広告をうつ」暴挙に出たのだ。
そうすれば、まんべんなく、宿泊施設から販売手数料を受け取れる。
送客の実績を積めば、契約も解除されないというカラクリだ。

ヤフーやグーグルのリスティング広告は、もちろん無料ではない。
有料であるにも関わらず、なぜじゃらんネットや楽天トラベルはリスティング広告を止めないかというと、TOPページのアクセス数を考えても、許容範囲を超えた宿泊施設数を掲載しているから。
つまりキャパの限界をいっているので、有料でも「宿名でのリスティング広告」は欠かせないのだ。

無知な宿泊施設の経営者は、送客がどこからされたかの「分類」を見るだけで、どうやって予約されたかの「過程」を見ていない。
「自社HPを閲覧してもらったのに、予約はじゃらんネットでされた」・・・という事が、日常茶飯事で行われている。
それを知らずか、知ってて指をくわえていただけなのか、わからないが、きつい言い方をすれば、宿泊施設側も「自業自得」といった感は拭えない。

だからこそ、宿の生き残る道は、「脱・エージェント」と、事あるごとに言ってきた。
実際、私が手掛けたHPをフル活用しているお宿さんは、エージェント依存を脱却し、ほぼ自前のHPと電話予約だけで、客室稼働率90%を維持している。
自分で言うのもなんだが、「賢者の宿」と表現したい。

でも、じゃらんネットと楽天トラベルの天下が、ずっと続くとも思えない。
もしかしたら、あと4~5年でこの世から無くなっているかもしれない。
その根拠は、あることはある。
それはまた次回で、ある機会の折にご紹介するつもり。