旅館経営のパートナー

一般的に、日本の温泉旅館は家族経営が多い。
規模が大きい宿でも、いわゆる世襲制の同族経営がほとんどだ。
私の知る限りでも、多くの宿で世代交代がされた。
その理由のひとつとして、この10年で、宿の経営のノウハウは大きく変わったからに思える。
今や、当たり前となったネットの存在がそうさせた。
しかも、1年ごと、数か月ごとに新しいサービスが生み出され、それを宿経営にマッチングさせられるかどうかに、業績の向上がかかってくるような時代になった。
情報も、あらゆる方面から入るようになり、取捨選択が面倒になったのも事実。
そして、最近では、旅館もRYOKANと呼ばれるようになり、インバウンド需要が増加し、グローバル化は避けられない環境になりつつある。

そんな中、ニッポンの宿泊施設は、先行き不透明な経営のかじ取りを、コンサルタントという名のパートナーを欲しているようだ。
ところが、自分の宿に合うコンサルタントを探すのが、指南の業となっている。
簡単に済ませば、大手旅行会社出身とか、予約サイト出身とか、または老舗の旅館ホテル専門のコンサル会社に委託する手もある。

しかし、それでいいのだろうか?
いまや、ネットが当たり前のインフラの時代。
旅行会社出身とか予約サイト出身であれば、結局彼らは、今までの成功体験しか持ち合わせていない。
老舗のコンサル会社に至ってもそうだ。

顧客予備軍のニーズを、どれだけ汲み取れるかが、これからのコンサルタントに必要だと思う。
痛いところをつくと、業界出身のコンサルは、自分であまり旅行しない。
言い換えれば、自腹で旅行をしないのだ。
仕事で、地方を周れば、それは、知識はつくだろう。
しかし、顧客予備軍のマインドを、彼らは、どこまでリサーチしているのか?

極論を言えば、宿の経営者は、それなりの勉強と研究をすれば、コンサルなぞ雇わなくても、充分なのである。
でも、どうしても必要ならば、業界出身のコンサルはやめた方がいい。
横並びの金太郎飴みたいな、何の個性もない宿を目指すなら、それでもいいが。

セミナーで成功体験を話すコンサルよりも、その宿ごとにきちんと対策を練ってくれる・・・。
そして、常に情報を集め、トレンドを熟知し、新しいネットサービスを研究し、それを応用検証ができる存在が、旅館経営には必要になってくると思う。
いわば、病気になった時に、医者が個別に処方箋を書いてくれるが如く。
抽象論が得意なコンサルよりも、マーケティング能力があり、そしてドクター的なパートナーが、これから求められてくるような気がする。