「旅館」を「別荘」とする考え方

以前にも書いたことがあるが、20代の若年層の旅行離れが加速している。
給料も安いわりには、日常に、通信機器関連や、交際費に出費がかさんでいるところも影響しているかもしれない。
同じことが言えるのが、若年層にクルマも売れなくなっている。
通信関連の出費など→お金に余裕がない→クルマが売れない→旅行離れ・・・という仮定もあながち間違っていないかも。
全国の宿泊施設の経営者も同じように危惧している。
「若者が旅行しなくなった」と。

もちろん若者も旅行している人はいる。
それは結婚しているか、交際している異性がいる場合が多い。
少子高齢化の社会ということは、20代で結婚する人も減っているという事。
一緒に行動する異性がいなければ、旅行もしないという理屈も説明がつく。

しかし若者が旅行離れをしているのは、様々な要因が考えられる。
そのひとつが、予約サイトや宿情報誌に載っている、いわゆる「宿泊プラン」にも原因があると、私は考えている。

宿の公式HPにも、料金表はなくても、「宿泊プラン」のページが賑やかなところが多い。
「宿泊プラン」とは、いかにお得かアピールするものから、特典をセットするもの、期間限定ものなど様々だ。
しかし、それはいわゆるスーパーなどの小売店などが、消費者に少しでも注目してもらうため、セールを行うようなものとも言える。
その「宿泊プラン」に引き寄せられ、予約をする仕掛けだ。

でも、それは宿そのものを理解して、予約したものなのだろうか?
宿とは、経営者が違えばそれぞれ個性が出て、その特徴や佇まいが気に入って、客が予約するものだと私は思っていた。
それが特典などのオマケを付けて集客する仕掛けが、私には疑問なのだ。
特典につられた客が実際に宿に泊まってみると、ターゲット層でない客層だとすれば、すぐにさほど自分に合った宿ではないと気付く。

反対に、よく私が取材時にお見受けする、60歳以上のご夫婦などは、よく旅行とは何たるかを理解している。
そして旅館の過ごし方、楽しみ方を熟知しているようにも思える。

そして、こんな考え方も頭に浮かんだ。
20代の若者は、同じ宿に連泊した経験は少ない。
行動力があるせいか、2泊できるスケジュールがあるなら、移動して違うところに泊まる傾向がある。
ところが、年配のご夫婦は、圧倒的に同じ宿に連泊する場合が多い。
これは体力的な問題以外に、秘密が隠されているように思える。

それは、私自身がプライベートで宿を取る場合、連泊が基本だからだ。
2泊すれば、宿によっては翌日の朝食を遅くしてもらったりもできる。
最近では、ブランチに切り替えしてくれる宿も出てきた。
2日目の昼間が有効に使え、周辺の散策などもできるようになる。
もちろんのんびり昼寝もいい。
ゆっくり休んで、温泉に浸かり、再びご馳走をいただく。
3日目の朝は、すっかり疲れも取れて、自宅に帰る。
こんな旅は、精神的にも体力的にも余裕が生まれるのだ。

1泊目であれば、宿の勝手が分かるだけ。
2泊すれば、周辺環境も楽しめて「旅館」が自分の「別荘」にも思えてくるのだ。

海外旅行でも同じ事が言える。
楽しい旅行も、初日は長時間のフライトや、時差ボケもあって、体力的にきつい。
しかし、2日目以降は、体力も回復し、空気や水にも慣れ、その土地を満喫できるようになる。

日本での温泉旅館の過ごし方も同じ。
2泊することによって、本来の温泉宿としての快適さが再認識される。
チェックインした翌日に、すぐに荷造りするような忙しさがないのも嬉しい。

かつて世界のホンダの創業者・本田宗一郎は、こう言ったという。
「日本には、旅館というものがある。その国で別荘なんてものは本当に必要なのか」と。
温かい食事とふかふかの寝具が常に用意され、心からの「おもてなし」を受けられる「旅館」という日本文化は、「温泉」という自然の恵みと相乗効果を持ち、世界に誇れるものとなった。

今、日本は夏休みの季節となった。
ふだん、連休が取れない人たちも、この時期なら同じ宿で2泊以上できるはず。
ぜひ、同じ宿に2泊以上して「別荘」気分を味わってほしい。
その「別荘」を探すことも、旅の工程のひとつ。
しかし、生涯の「別荘」を見つけられたら、それはこの上ない喜びになるだろう。
ちなみに、その「別荘」には、年間の維持費も固定資産税もかからない(笑)。

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