温泉宿を応援し隊・・・「宿援隊」の今後

東日本大震災の発生から、もう50日になる。
大地震、津波、そして原子力発電所の事故と、ひとつでも大変な事なのに、3つ同時で発生し、しかも岩手、宮城、福島、茨城などはじめ、東京を含め東日本の広範囲に渡っての被害だから、まさに未曾有の大震災だったわけだ。
特に福島県は、現在でも沿岸部、特に原発近くの遺体の捜索も、ままならない状態というから、なんとも悲しい限りだ。

そして、東北、そして北関東など周辺の温泉宿は危機的状態に陥った。
被災者受け入れ先として、ある程度収容規模のある大きな温泉地が選ばれた。
当たり前だが、住民がまとまって宿泊してもらったほうが、何かの時に自治体が連絡を取りやすいからだ。
でも、一軒宿や、小さな温泉地の宿は、完全に取り残された。
被災者も来ず、都会からの一般客も、ほとんど無くなった。
私の故郷でもある福島県の温泉宿は、原発のこともあり、他のエリアとは違った。
放射能漏れが続いていることにより、事態の収拾時期が読めないから、一層深刻だった。

そこで、震災発生から1週間後あたりから、私は「自粛ムードが温泉宿を潰す!」「4月になったら東北の温泉宿に泊まりに行こう」と呼びかけた。
分かりやすく言えば、被災地の温泉宿を助けるキャンペーンである。
被災者でもある温泉宿への応援も含めて「旅行ボランティア」としての考え方を分かりやすく「温泉宿を応援し隊」と言い換え、さらに「宿援隊(しゅくえんたい)」と表現した。
もちろん、敬愛している坂本龍馬さんの「海援隊」からのネーミング。

私は相変わらず、仕事柄、東北も含め、全国を動き周っているが、それぞれの地方に住む人たちにより、今回の震災の受け取り方は、当たり前のように様々だ。
東北から遥か離れた九州の方たちは、どこか遠くの国の出来事のような印象か。
もちろん、多くの義援金を東北に贈り、応援しているのはよく分かる。
関西になると、私のtwitterに噛みついてくる人が何人かいた。
3月下旬は、まだ計画停電のこともあり、世間では自粛ムード一色だった。
そこで東北に泊まりに行こうと訴えたから、反応したのだと思う。
今では、自粛ムードは、反対に日本全体の閉塞感をさらに悪化させ、経済的にも被災地のためにならないとの考え方が大半になったが、当時は逆だった。
そのtwitterの件だが、関西のあるマスコミ関係者(女性)が、私にこう抗議してきた。
4月上旬の事。
「観光地の状況くらい良くわかりますよ。大変なのは宿だけじゃない、命の危険をおかしてまで現地に行けなんて言って被曝したら責任とれるんですか?農家だって大変で汚染された野菜を食べろっていうんですか?」(原文のまま)
驚いた。
マスコミ関係者というから、ある程度知識と情報を持ち合わせていると思っていた。
まず、私は、原発に行けなんて言っていない。
さらにこの人は、福島の宿が、放射能まみれの野菜を客に出すとも言っている。
驚愕した。
日本人ですらこうだ。
福島県は広い。日本では岩手県に次ぐ二番目に広い県なのだ。
東電福島第一原発から、その時紹介した宿で一番近い宿でも約70㎞離れている。
しかも、放射能レベルも健康に害を及ぼさない低い数値だった宿である。
風評の恐ろしさと、地理の不理解の怖さを知った瞬間だった。

そして、私はtwitter上で展開していた「宿援隊」を、図解化しようとした。
サイトを、Googleマップを利用して、原発の位置も入れて、紹介している宿の位置関係を分かりやすくしたサイトをリリースした。
http://www.shukuentai.com
宿から聞いた情報や、私の思うところをツイートしたものを、そのままこの「宿援隊」サイトに載せたのだ。
ちょうど、震災発生から1か月後のことだった。

この頃から世間では、自粛ムードを疑問視する動きが見られ、私の「宿援隊」を好意的に受け止めてくれる方が多くなった。
実際に、毎日のように私のところに励ましのメールや、宿に実際に泊まってきたなどのレポートも送られてくるようになった。

そもそも、被災地の近くの温泉宿の経営者から、電話で相談を受けてから始まったこのキャンペーン。
私だけでなく、様々な人たちが温泉宿を応援しようと努力している。
今回のことは、twitterをやっていてよかったと初めて思えたかもしれない。

今日は4月末。ゴールデンウィークが始まったばかり。
ようやく、東北、関東の温泉宿も、少しばかり賑わいを見せるようになったと現地から報告を受けている。
問題は、この大型連休の後の5月以降。
ここにどれだけの集客を図れるかで、宿のこれからが見えてくる。
「宿援隊」は次なるステージでも、力を発揮できるようにレベルアップをしていきたい。
「自分にできる事」はそんな事だろうと、改めて思っている。
日本文化のおもてなしの象徴である温泉宿が好きだから。(移動中の車中にて)

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